越境ECでのショップ開店最初の一歩
越境ECで出店するメリットは、もちろん国内より多くの顧客をターゲットにできることです。ただそのためには、言語対応や決済手段など、海外に向けてさまざまな準備が必要です。成果がどの程度出るかわからないものに、大金を投資してはじめられるという場合はそう多くないでしょう。最初はスモールスタートし、手応えに応じて成長させていくのが良いと思います。
まず準備すべきなのが、当然ECサイトです。自社サイトをローカライズするだけでも不可能ではないですが、余裕があれば、「Rakuten Global Market」あたりの海外対応しているモールに出店するのがオススメです。出店手数料はかかりますが、すでにモールについているユーザーがいるので、自社サイトよりも集客がしやすくなります。自社サイトの場合、ドメインは日本発であることが伝わりやすいよう「.jp」にするのが良いでしょう。
次に、ECサイトに幅広い商品ラインアップを掲載します。国によって好みやニーズが違ってくるので、日本と商品の売れ筋が異なり、意外なものが売れる場合があるからです。
アクセス解析でどの国から人が多く来ているか、どの商品ページが見られているか、どの国から問い合わせメールが来たかなどをチェックし、どの商品がどの国に売れているかを把握します。ただ自身が好きな国や他の企業が成功した国をターゲットとして考える方も多いのですが、自社の商品がどこにウケるかを第一に考えるべきです。それが見えてきたら、注力する商品やターゲットとするエリアを絞り、マーケティングをしていきます。
さらに主力商品の手応えが出てきたら、隣接カテゴリーもプッシュし、あわせ買いを促します。たとえばロシアなどで日本の包丁は切れ味がよいと人気なので、砥石もあわせて買われています。
言語対応はどこまでしていくのか
最初はどの国にウケるのかわからないので、言語対応は英語だけでスタートしても構いません。英語圏以外の国の方でも英語がわかる方も多くいますし、欲しければカタコトでも問い合わせが来るものです。
ECサイトを開設してどの国から来ているかがわかってきたら、そこの言語に対応していきましょう。たとえ英語がわかる人であっても、自国の言葉がある方が親近感が湧くものです。各種言語への翻訳は、Google翻訳では精度が厳しいので、クラウドサービスを利用するとよいでしょう。精度もなかなか良いですし、ときどき間違いがあっても親切なお客さんが教えてくれるものです。そうしてブラッシュアップしていけばよいのです。
メールでの問い合わせは、内容の大意が伝わればよいので、Google翻訳でも構いません。一度日本語から翻訳したものを、再度日本語に訳して意味が通っていれば、だいたい大丈夫です。日本語は主語がなくても文章が成立してしまうので、間違った主語に翻訳されないよう主語を明確にした文章で翻訳するなど、使っているうちにコツがわかってきます。
ただ、中国からのお客さんが多い場合は、できれば中国語のわかるスタッフを1人雇ったほうが良いです。中国はチャット文化なので問い合わせをすぐ返すことが望まれます。問い合わせだけでなく雑談をしながら買い物をするという文化があるのです。成功しているショップには、たいてい中国語のできるスタッフがいます。