ホームページが「あればよい」という時代は終わり、現在はネット施策にも、企業の「姿勢」が見られるようになりました。しかし状況がシビアになっているからこそ、企業の本気と誠実さがネット施策でもモノを言うのです。
10年くらい前までは確かに、インターネットドリームとでも言うべき、ネット施策の成功体験が(ギリギリ)残っていたように思います。大きな理由としては、Webサイトや事業者の母数が現在より格段に少なかったことが挙げられます。また、技術やWebデザインの理論も未成熟で、PC付属のホームページソフトでつくったWebサイトでも「あるだけ」で有利という状況でした。
しかし、現在の状況を考えてみてください。なにかを検索すると、膨大な量のWebページが出てきます。果たしてこの中から、自社のホームページを探して来てもらえる確率はどのくらいあるでしょうか? 多くの方が期待しているであろう「SEO(検索上位)対策」も、複雑高度化しており「無料で簡単に」できるようなものではありません。
ネット施策のゴールドラッシュはとうに終わりました。しかし一方で、いまやインターネットは生活の基盤であり、ネット施策の是非が企業のあり方を左右することもあります。現在のネット施策は、「小手先」のノウハウではなく、企業の真価や本質が問われるものへと変化してきているのです。
服や食事ひとつとってみても、昔と比べて本当に多くの選択肢があふれていますよね。こうした需要の飽和状態の中では、消費者の変化がネット施策に及ぼす影響にも留意が必要です。
まず感じるのは、ホームページの見た目や内容の「質」がそのまま事業者の信頼度のバロメーターになっているということです。全体的なWebデザインの水準と信頼基準があがった結果、制作費は高額化している傾向があります。
また、商品も事業者も選び放題という状況で、消費者の要望が先鋭化…言ってみれば以前より「わがまま」になったとも感じます。そこから事業者側は過度なサービス競争に巻き込まれる危険もあり、顧客満足と事業体制のバランスの取れたサービス設計を含めた事業計画が、これまで以上に重要になってきています。
さらには無意識のネット不信。ネット情報を鵜呑みにして失敗した経験が増えるにつれ、消費者はネットの情報に疑り深くなっています。適切な「期待値コントロール」も、現在のネット施策のポイントの一つとなっています。
POINT
「小手先」が通用しなくなった今こそ
ネット施策にも企業の真剣度が問われている