何を見ればいい? SNSのKPIとは
Webサイトのように売り上げや会員獲得といった明確なコンバージョンがないSNSでは、成果をどのように評価すればいいのか迷う企業さまが少なくありません。毎日のリーチ数や「いいね」の数を眺めて一喜一憂するだけにならないよう、最初の段階できちんとKPIを設定しておくことが重要です。
例えば、KPIとしてよく用いられるのがフォロワー数やエンゲージメント数/エンゲージメント率です。ブランドへの好意形成やファン作りを目的とした場合、フォロワーからの「いいね」やコメントといったリアクションがその指標となるためです。KPIに設定したフォロワー数・エンゲージメント数/率の値に対し、それをどこまで達成できたかで成果を測る、という考え方になります。過去の自社の実績や、前の項目でご説明した業界別の投稿数・反応率を参考に、KPIとなる値を考えてみるのが第一歩です。
しかし、KPIはフォロワー数やエンゲージメント数/率に限らなくてもいいと考えています。目的に対してどんなアクションを得ればそれを達成できるのか、自分たちなりに評価になる指標を見つけ、その数値をKPIに設定すればいいのです。例えば、Twitterでの認知拡大が目的ならば、KPIはリツイート数に設定できます。Facebookで好意を得ることならば「超いいね」のリアクションボタンがそれに該当するでしょう。
あまり難しく考えず、自分ならどういう反応をするか、結果から逆算していくとわかりやすいと思います。
目的を本当に達成しているのか定期的な調査を併用しよう
KPIが達成できたとしても、それが売り上げにつながっているのかどうかは見極めが難しいところです。それを確かめるには、別途アンケート調査を行うことが必要です。
日本ケンタッキー・フライド・チキンによる2015年の事例では、フォロワーを対象にしてアンケートを行い、その回答とSNSによる反応率を掛け合わせることで、来店頻度との関係を調査しました。その結果として、反応数が月1~3回の人に比べて、4回以上の人の方が店舗の利用頻度が高いことがわかりました。SNSでのエンゲージメントが売り上げにも貢献していると考えられることから、担当者の方は、ファンやフォロワーを増やす施策が重要だと結論づけています。
KPIを設定するだけでなく、そこから現実的な成果へどう影響しているのかを確認するには、最終的にこうした調査が必要になります。実施する場合は、半年に1回程度、毎回同じ質問を用意し、その回答がどのように変化したかを定点観測することが重要になってきます。