リードナーチャリングとは?人材の定性について共有しよう 事例詳細|つなweB
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ここでもベースは、個人対個人の関係性を尊重

ここからは、候補者が自社に対して、「入社したい」「一緒に働いてみたい」という気持ちを抱くまで、じっくりと対応していきます。

一つ前の「リードジェネレーション」での施策の後、定期的にコンタクトをとるようにしましょう。例えば、社長が広報面談を行った際に、候補者と話をする中で「自分と近しい年齢のメンバーを気にしている」と感じ取ったなら、その後で候補者と近しい年齢のメンバーとの食事会をセッティングしたり、事業に対しての関心が高い候補者だと感じた場合は、事業責任者や関わっているメンバーと話す機会を設けたりするといいでしょう。

このフェーズでも、これまでのフェーズと同様に、企業の宣伝・PRが強制的に働かないように意識をしましょう。くれぐれも、候補者との食事会に参加するメンバーに対して、あらかじめ話す内容を決めて通達しておいたり、自社の課題や懸念にあたることは口外しないようにと参加予定のメンバーに通達しておくことはNGです。

 

良い面も悪い面も伝えてミスマッチを解消しておく

候補者が自社に大きな関心を示し、一般的な面談を実施する状況になった場合、その面談が「リードナーチャリング」として重要なポイントになります。面談は、企業が候補者を選んでいく場だけではなく、候補者が企業を選んでいく場でもあり、企業と候補者は対等な関係であるものです。採用可否を決めていく視点だけでなく、面談のたびに候補者の関心が高まり、入社への意欲が沸いてくるような内容を盛り込むのがいいでしょう。

面談に際しては、関わるメンバーがどういう視点で話をしたり、候補者の採用可否を判断していくのかを事前に共有しておきましょう。「コンピテンシー」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? これは、特定業務において突出した成果を出す行動特性のことを指します(01)。自社のコンピテンシーはどのようなものなのか、候補者はそれにマッチしているのか、など定性面での判断をしていくことも多いです。

01 定性に関わる項目や基準を共有しよう
社内で採用にかかわる人たちを中心に、コンピテンシー(高い業績や成果につながる行動特性)に関する項目を話し合い、 随時カスタマイズしていきましょう。上はDONGURIのコンピテンシー例です。こうした定性に関する基準を社内で共有しましょう

入社をした後に、実は大切にしている価値観が異なっていた、という不幸なミスマッチを解消するためにも、自社が採用において重視していることや判断基準を社内メンバー内で共有し、面談ではそれらの内容を候補者にも伝えて、共感されるかどうかも見ていきましょう。

また、何度も繰り返しますが、面談においても、企業の宣伝・PRが強制的に働いている気配が少しでも感じられると、候補者の気持ちがトーンダウンすることがあります。ここでも、メンバーの本音、生の声が候補者に伝わるようにしましょう。企業の強制力がなくとも、メンバーが自発的に自社の好きなところについて、気持ちを込めて伝えていくようになるような会社になるのが必然です。

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遠藤義浩
※Web Designing 2018年8月号(2018年6月18日発売)掲載記事を転載

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