「ユーザー像」は大局的な動きから把握していこう 事例詳細|つなweB

 

まずは大局的な動きを掴もう

どういう流入経路でサイトに来て、どんな遷移でコンバージョンしたかというのを、ユーザー単位で全部知りたいという企業の方からの要望は少なくありません。ECサイトのように、Web自体が会社の収益の柱になっている場合は、特にそうした声は多いです。

ただ、まずはPVなどの概要的な情報から、大局的なユーザー像を掴んでいくことが大切です。自身の行動を振り返ってみるとイメージしやすいかと思いますが、ユーザーはそのときの気分や状況によってサイトの見方が違ってきます。たとえば時間があるときにのんびりネットサーフィンをすることもあれば、時間がないときに目的のサイトだけをパッと訪問することもあります。それはサイトの施策や製品の性質などとは関連しない要因によって起きる変化なので、あまり細かくデータを見すぎてしまうと、施策の方向性を見誤ってしまう可能性があるからです。

なお、Googleアナリティクスではユーザー単位の行動データは取得できません。そのためには、あらかじめAdobe Analyticsを導入する必要があります。

 

新しい打ち手を探すヒントに

では、ユーザー単位の行動遷移を見ることに意味がないかというと、そうではありません。大局的なデータを元にある程度施策を尽くしたあと、新しい打ち手を探す場合には、局所的なデータ、つまり「個」にフォーカスしてそのユーザーの属性や嗜好を分析していくことが役立ちます。打ち手のパターンは多い方がいいものですし、それまで自社内では想定していなかった新たな自社製品の訴求ポイントやユーザーニーズなどが見えてくることがあるからです。

保険の資料を一括請求できるサイトのように1ユーザーがコンバージョンすることの利益率が高いサイトでは、そうした分析はより効果的になってきます。

ユーザー単位の行動遷移
Adobe Analyticsは有料のアクセス解析ツールで、カスタマイズ性が高く高機能なことから企業マーケティング向けのサービスとして評価が高い。ユーザー単位の行動遷移についても、別のディメンション(要素)として流入ドメインを組み合わせたり、セグメントを設定したり、特定のページのドリルダウンを続けて絞り込んだりとさまざまなデータの見方ができる
教えてくれたのは…
ミツエーリンクス 荒木克弘さん/ミツエーリンクス 芳賀 穣さん
平田順子
※Web Designing 2017年12月号(2017年10月18日発売)掲載記事を転載

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