株式会社クレディセゾン

- 佐藤健さん
- 2020年、Webサイトを担当するデジタルマーケティング部にマネージャーとして着任。サイトリニューアルプロジェクトに参画。セゾンカード公式サイトほか各種サービスのWebサイトほかWebチャネルでの顧客訴求におけるマネジメントなどに従事。

- 溝上峻平さん
- 2014年入社。営業職として業務経験後、複数部署でデジタル事業に従事。現在は、Web/SNSのマーケティングなどに携わる。ウェブ解析士として企画/運用を担当。趣味は楽器収集。
株式会社ユニットベース

- プランニング担当 上村正敏さん
- 複数の制作会社でデザイン・ディレクション・プロデュース業務に従事した後、2013年にUNITBASE設立。主にプランニングを担当しつつディレクション、デザイン、調査分析等に携わる。元ラガーマン。

- プロジェクトマネジメント担当 中村万璃さん
- 制作会社にてフロントエンドエンジニアとして従事した後、2017年にUNITBASEに参画。主にフロントエンドを担当しつつディレクション、プロジェクトマネジメント、プランニングなどに携わる。無類の犬好き。

- クリエイティブディレクション担当 宮内一政さん
- 複数のWeb制作会社に所属した後、2015年にUNITBASEに参画。ディレクション、デザイン、プロジェクトマネジメント、プランニングなどに携わる。天候に関わらず自転車通勤を続けている。
クレディセゾンはなぜUNITBASEを選んだのか?
─まずは、今回のリニューアルプロジェクトの背景をご説明いただけますか。
溝上(CREDIT SAISON) クレディセゾンでは現在、これまで以上に価値ある顧客体験を提供しようと、あらゆる領域でのデジタル化を進めています。社内のDX推進はもちろん、カードのデジタル化といった大きな流れに対応する狙いもあります。その一環で、公式サイトもデータをより活用するなど、デジタルの力が活きるものに変えたいと考えました。
佐藤(CREDIT SAISON) 実際に、最後にリニューアルから10年が経過し、構造の複雑化や表現の不統一といった課題が明らかになっていました。アクセシビリティやブランディングの観点から、大きな見直しが必須でした。
─では、なぜUNITBASEに依頼を?
溝上 いくつかの制作会社から提案をいただいたのですが、覚えているのは、UNITBASEさんの企画書をひとめ見た瞬間に「これだ!」と思ったこと。そこに私達の課題を改善するための戦略が明確に提示されていたのです。
佐藤 そう言えば、初期の企画案にあったトップページの想定デザインは、完成形とほぼ同じ(POINT1)でしたよね。
宮内(UNITBASE) はい。およそ原型ができていたと思います。
─なぜそうした提案ができたのですか?
宮内 課題を解決するための具体的な戦略を提案し、正しく判断していただけたからだと思っています。それにのっとる形でデザイン案の検討を進めたことで、完成形に近いものになりました。
上村(UNITBASE) このような、ビジネス視点に立って戦略を立案し、それをクリエイティブに織り込んでいく(POINT2)やり方は、UNITBASEが普段から取り組むものです。今回の大規模プロジェクトはUNITBASEにとっても大きな挑戦でしたが、だからこそ、いつもの考え方で戦略を保ちながら最後まで進めていくことが大事だと考えました。


初期に作成したデザイン案(図01)は、完成形(図02)とほぼ同じ形をしている。これはUNITBASEがプロジェクト初期の段階から課題を解決するための戦略を持ち、明確な形にしていたことを示している





初期に作成した企画提案書類の一部。UNITBASEではこうした提案をビジネス課題解決のための戦略を示すものと位置付けている。ゴールへの道筋を共有することが、プロジェクトの進行に一貫性をもたらした
スモールチームにしかない強みとは?
─ところで、UNITBASEはWeb制作業界を見回しても、小規模に分類されるスモールチームです。クレディセゾンのような大きな会社が、プロジェクトを任せることに不安はありませんでしたか?
佐藤 クレディセゾンでは、規模の大小でお仕事を依頼する会社を判断することはありません。UNITBASEさんが私達が必要としているノウハウを持っていたから、一緒に仕事をさせていただいた、ということです。
溝上 規模の話で言うと、大手の制作会社と仕事をする場合、私達が接する窓口が営業の方ということになり、実際に制作に携わるつくり手の顔が見えないことがあります。その点UNITBASEさんの場合はスタッフの皆さんとの距離が近く、どの方がどの領域を担当しているかも明確でした。こちらが言いたいことが“きちんと伝わる”という安心感がありました。
佐藤 スモールチームならではと言えば、スピード感にも驚かされました。オンラインツールを効果的に利用しながら、必要な時にコミニュケーションが取れますし、提案や意思決定も速い。
─ちなみにどんなツールを使ったのでしょうか。
中村 コミュニケーションはZoomやSlack、プロジェクトマネジメントはBacklog、デザインはFigma、さらにはbox、miroといったところでしょうか。
─ツール活用のポイントは?
中村 セキュリティに配慮しながらも、活発なコミニュケーションが行われることを第一に考えていました。ですから、“どこに必要な情報があるか”とか“どこにフィードバックをすればいいか”といった点で迷うようなことがないよう、進行に関する情報はBacklogに、デザインに関してはFigmaに情報を集中させるといった工夫をしました。(POINT3)。
─そうしたやり方について、クレディセゾンではどう感じていましたか?
溝上 直感的でわかりやすいと感じました。こうした使い方の工夫があるからこそ、効率よく作業を進めることができるのだなと。デジタルツールの活用法としても、大変参考になりました。



プロジェクトのやりとりにはオンラインツールがフル活用された。なかでもFigmaやBacklogはスムーズな制作のポイントになった。Figma(図01、02)にはデザイン関連の、Backlog(図03)にはプロジェクト進行に関するデータが一括で置かれ、それぞれを見れば、進行中の作業の様子から、最新のタスク、さらには過去の記録やツールの使い方のノウハウなど、必要な情報がすべてまとめられている
一貫して貫かれた戦略思考
─プロジェクトのおおまかな流れを教えてください。
上村 キックオフは昨年の5月、その後調査や情報整理、さらには要件定義、UXマップ作成といった工程を経て、制作に入ったのは9月でした。
─特に力を注いだ工程は?
上村 制作に進む前の調査と情報整理には時間をかけ、既存サイトの分析に加えてユーザーインタビューやワークショップも実施しました。狙いは、セゾンカードのお客様に対する理解を深めること、そしてクレディセゾンの皆さんがお客様とどう接しているかを明らかにすることでした。ここで得た情報を活用してUXマップをつくり、Webサイトを組み立てていきました。(POINT4)
─こうした進め方についてはどうお感じでしたか?
溝上 制作前にこれほどまでに綿密に調査するのかと驚かされました。しかし、調査が進むうちに、私達が抱えている課題やタスクがより明確になっていきました。スムーズに制作工程に進めたのは、この過程があったからこそだと思っています。
─クレディセゾンでは、今回のプロジェクトをどう総括していますか?
佐藤 導線の整理やアクセシビリティの強化といった、難解な課題を解決できたことは、私達にとって非常に大きな成果です。UNITBASEさんにはこれからも、さまざまな形でアドバイスやご協力をいただけたらと感じています。
溝上 今日お話をしていて、UNITBASEの皆さんが、常にゴールに向けた道筋を示してくれていたことに、あらためて気付かされました。この経験は他のチャネルにも活きるものだと思っています。
─最後に、UNITBASEは成功のポイントがどこにあったと感じていますか?
宮内 繰り返しになりますが、プロジェクト初期に課題解決のための明確な戦略を策定できたこと、そしてそれをクレディセゾンの皆さんと共有できたことがポイントだったと思います。それが結果としてぶれのない進行につながったと。
中村 私はそうしたプロジェクトの進め方に、クレディセゾンの皆さんがあらゆる面で前向きに、誠実に取り組んでくださったことが本当に大きかったと感じています。
上村 恐縮ではありますが、今回のリニューアルプロジェクトでは、我々のビジネス視点に立った戦略立案力と実行力を、そして、スピード感や横断的な連携といった、スモールチームならではの特徴を最大限に活かすことができたと感じています。今後もそうした強みに磨きをかけ、さらにお役に立てればと思っています。どうもありがとうございました。


制作前調査の一環として、クレディセゾン社員との間で行われたワークショップでは、付箋を活用した分析や顧客分析、ペルソナ分析といったアプローチが行われ(図01、02)、その結果をもとにUXマップが制作(図03)。された。こうしたプロセスは、プロジェクトを順調に進める原動力となった
企画協力:株式会社ユニットベース