プロジェクトマネジメントを考える際に、欠かすことができないのがチーム間のコミュニケーション。膨大な量の情報を確実に共有し、いかに効率よくプロジェクトに反映させていくかがポイントになります。
そこで注目したいのが、マイクロソフトの「Office 365」に含まれるコミュニケーションツール「Microsoft Teams」。おなじみのWordやExcel、PowerPointとあわせて利用できるTeamsは、多様なコミュニケーションの形に柔軟に対応できるだけでなく、クリエイティブの現場に求められるデザイナーとエンジニア間のコミュニケーションをスムーズにしたり、クリエイターのアイデアの創出を促したりと、実に懐の深いツールです。ではその活用実態とは? そこでここでは、新規事業開発支援やサイト制作、さらには雑誌、企業広報誌、書籍の制作とデザインの力を活かして多様な課題解決に取り組むデザイン会社、コンセントを訪れてお話を伺うことにしました。コンセントではデザイナーからエンジニアまで200人以上にもなるすべてのメンバーがTeamsを活用し、大きな成果を上げているといいます。コンセントがTeamsをどう使っているのか、聞きに行ってきました!
最先端のデザイン会社がTeamsを導入した理由
——まずはズバリ伺いますが、なぜ「Teams」を使っているのですか?
[江辺]Teamsを使い始めたのは2017年中盤のこと。当時、社内でコミュニケーションについての課題が生じていて、なんとかしなければと考えていたんです。
[佐野]例えば連絡をとる際にはSlackやSkype、ファイルを受け渡す時にはDropboxなどと、プロジェクトごとに違うツールを使っていたこともあって、混乱していたんです。
[小山]過去のやりとりのログを遡るのに苦労したり、共有ファイルや議事録などの保存場所を探し出すのに時間がかかってしまったり。
[江辺]そこで、社全体でツールを統一しようという声が上がりました。調べていくうちに、コミュニケーション機能が充実しているだけでなく、ファイル保存などの機能も備えたTeamsの名前が挙がりました。
——Web系の制作会社だとSlackを選ぶところも多いですよね。
[江辺]Slackもいいツールだと思っていたのですが、Office 365で利用できるTeamsがコスト面で有利だという話もあって決めました。PowerPointやExcel、WordのファイルはTeams内で見たり、編集できたりしますしね。
——なるほど。では、コンセントではTeamsをどんな風に使っていますか?
[小山]今はプロジェクトが立ち上がったところでそこで使用する「チーム」を作成し、その中にテーマを定めた「チャネル」をつくって利用しています⇒ 。
チャネルはプロジェクトの進行にあわせて数が増えていくことが多いですね。このチャネル分けがTeamsをうまく使うためのポイントかなと思います。
[佐野]私もそう思います。プロジェクトが佳境に入ってくると書き込みの量が一気に増えていくのですが、そんな時でもチャネル分けがうまくできていれば、戸惑うこともありません。
——チャネルのつくり方はルールを決めているんですか?
[小山]特に決めていないです。長期で取り組むプロジェクトと、1カ月でまとめなきゃいけないプロジェクトではコミュニケーションの仕方が変わってきますし。
[佐野]それにコンセントの規模や社風からすると、みんなで改善しながら最適なやり方を見つけていくのが合っているので、時間をかけてベストな形を探っているという感じです。
——なるほど。Teamsだとプロジェクトの形や社風に合わせ、使い方を変えていけるということですね。
Teamsが変えたコミュニケーションの形
——ところでTeams導入で社内の様子はどう変わりましたか?
[江辺]Teams上の情報は、社内に向けてすべてオープンにしています。だから今どんなプロジェクトが動いているのかがよくわかるようになりました。○○さんは今かなり忙しいぞ、とか(笑)。
[小山]僕はエンジニアなので「オープン」になったことがすごくいいことだと感じました。Webサイトやサービスの制作では企画やデザインが先に進み、エンジニアが関わるのは枠組みができてから、というケースが多く、後で話を聞いてビックリ、なんていうケースもありました。
——確かに、そうした話はよく聞きます。
[小山]それがTeams上のやりとりをチラッと見ておくことで、あらかじめ経緯を追っておくことができるようになりました ⇒ 。いざ自分が関わるようになっても、ざっくりと流れがわかっているので準備もしやすい。エンジニアの目線でヤバそうな雰囲気があった場合には、アドバイスをすることもできます。そういうコミュニケーションって、これまでできそうでも簡単にはできなかったんです。
[江辺]エンジニアとデザイナーは仕事の仕方が違うし、目線も違う。これまでは難しさを感じることもありましたが、Teamsではゆるやかに情報共有ができるので、うまく着地できるケースが増えてきました。
[小山]誰かに必ず見ておいてほしい場合には、その人宛てにメンションを飛ばせばいいですしね。そうした自由度の高さがTeamsのいいところだと思います。
——ところでコンセントでは業務以外でもTeamsを活用しているんですよね。
[江辺]昔から社内の部活動が盛んなので、そのためのチャネルや「ビールを飲みに行こう」といった約束をするためのチャネルもあります(笑)。
[佐野]私は「書体が好きな人」のチャネルなどによく書き込んでいるんですが、面白いのはそうしたゆるやかなつながりが、意外と仕事に活きること。ふとした書き込みがアイデアにつながることもあるんです。
[小山]実際にアイデアをつぶやくためのチャネルもあります。すぐには仕事にはならないかもしれないけれど、面白そうなことを共有しておくことで、思わぬ発展をしたりする事例も出てきています⇒ 。
[江辺]こうした使い方には改善の余地があるのですが、だんだんと自分たちらしいツールになってきている気がします。
[小山]そうなんです、僕らもTeamsと一緒に成長している感じがしますね!
——おおっ! 小山さんに完璧にまとめていただいたところでちょうど誌面が尽きました。皆さん、ありがとうございました!
企画協力:日本マイクロソフト株式会社