PMBOKは、Project Management Body of Knowledge(プロジェクトマネジメント知識体系)の略称で、プロジェクトマネジメントの業界標準となるガイドラインです。PMBOKは、プロジェクトマネジメントにおける主要なプロセスや知識領域、ベストプラクティスなどを体系的にまとめたものです。PMBOKは、プロジェクトの立ち上げから完了までの一連の活動に関する知識を提供します。具体的には、プロジェクトの範囲定義、スケジュール作成、品質管理、リスク管理、コミュニケーション管理など、プロジェクトマネジメントにおけるさまざまな要素を包括しています。PMBOKは、プロジェクトマネジャーや関係者がプロジェクトを効果的に計画、実行、管理するための指針となります。多くの企業や組織で、PMBOKはプロジェクトマネジメントのトレーニングや認定試験の基準として使用されています。
思いどおりにプロジェクトが進まない!という現場の悩みを軽減するのが「プロジェクトマネジメント」。というと、まるで魔法の杖のような印象を持つ人もいるでしょうが、ここではその概要についてご紹介しましょう。
プロジェクトマネジメントってどんなことをするの?
プロジェクトマネジメントとは、読んで字の如く「プロジェクト」を管理することです。この場合のプロジェクトというのは、明確なゴールがあり、期限が定められている仕事のこと。Web制作の現場でいえば、新規サイトのオープンなどが相当します。
プロジェクトでは、しばしば想定外のことが起きるもの。スタッフが突然風邪でダウンしたり、ちょっとした機能をWebサイトに実装するだけなのに予想外の時間や予算がかかるケースもあります。そうした個々のトラブルを把握し、適切な処理をしながらプロジェクトを円滑にゴールへと導いていくのがプロジェクトマネジメントなのです。
プロジェクトマネジメントは、以前はビジネスマンの勘や経験に委ねられることが多かったのですが、今では系統だった理論が生まれてきました。例えば、米国の非営利団体PMIが策定した「PMBOK(Project Management Body of Knowledge)」という考え方は、現在プロジェクトマネジメントの体系として広く支持されています。
この手法では、1つのプロジェクトを全部で10の観点に分けてチェックするするという考え方を提案しています。この観点を簡単に押さえておくだけでも、プロジェクトマネジメントを効率的に、そして着実に行えるようになるでしょう。
プロジェクトマネジメント導入で生まれるメリットとは?
もしもプロジェクト全体を俯瞰して管理する人がいなければ、スタッフは状況を別々に判断して、自分の価値観で仕事を進めてしまいます。それでうまく進めばめでたしめでたし…なのですが、現実はそう都合よくいきません。誰かのちょっとした甘えで工程が1日遅れると、スケジュール調整が必要になり大きな時間のロスにつながるかもしれません。しかも、互いが自分の状況しか見えていないので、どれだけ遅れているのか、その遅れを取り戻すには何が必要かを判断できる人もいません。結果として、プロジェクトが予定の期限内に終わらず、あるいは間に合ったとしてもボロボロの状態になっていたりするのです。
プロジェクトマネジメントというと、期限内に間に合わせることだけをイメージしがちですが、実際はそれだけではありません。大切なのは、品質を維持すること、あるいは最大化することにあります。いわば、納期に間に合わせるのは前提。プロジェクトマネジメントがうまく機能することで、各スタッフがより良いパフォーマンスを発揮し、相乗効果によって成果物のクオリティが高まっていく、それこそがプロジェクトマネジメントの最大のメリットだといえます。