コンテンツマネジメントでは、そもそも顧客体験として何が良いコンテンツなのかを客観的に理解することも重要だ。個人的な好みや信条があっても思い込みは危険である。
参考になるのが、ブランド戦略コンサルティングのトライベック(株)が毎年実施する「企業情報サイト調査」だ。200社以上の有名企業サイトについて、6つのコンテンツを想定ユーザーに実際に閲覧してもらい、表現はわかりやすいか、情報は探しやすいか、内容は充実しているかなどを5段階で評価しスコア化する。上は最新結果のランキング上位10社をまとめた表だ。
この調査が面白いのは、毎年のランキング上位企業にあまり変化がないことだ。総合指標ではサントリーが3年連続1位であり、誰が見ても良いコンテンツの内容や見せ方があるということだ。2021年にサイトリニューアルしたユニ・チャームが前回45位から総合3位に急浮上、優れたサイト設計でユーザーの評価が高まることもわかる。
逆にランキング下位サイトを見れば、デザインには素人の私にもダメさは一目瞭然だ。そもそも対象となった246社のうち、総合スコアが100(良いと悪いが半々)以上は18社しかない。会社案内や社会貢献などに比べると、ニュースリリースや技術情報の見せ方はトップ企業でもスコアが低く、改善の余地がありそうだ。
CMSは担当者レベルでコンテンツ管理が簡単にできるメリットで急速に普及した。しかしフロントエンドの見せ方に制約があり、結果的に多くの企業サイトが似たものになっている。コンテンツ、デザインの自由度が増すヘッドレスCMSに期待する人も多いだろう。もちろん、会社の理念・ビジョン、社会貢献やIR活動が真っ当なことが、魅力的なWebサイトの前提だ。このランキングは企業経営の評価を反映しているとも言える。

https://japanbrand.jp/ranking/cc-ranking/cc2021-3.html
- Text:萩原雅之
- トランスコスモス・アナリティクス取締役副社長、マクロミル総合研究所所長。1999年よりネットレイティングス(現ニールセン)代表取締役を約10年務める。著書に『次世代マーケティングリサーチ』(SBクリエイティブ刊)。http://www.trans-cosmos.co.jp/