EC案件で成果を出すにはSaaSが不可欠
かつては自社ECサイトを構築すれば一定の売上が見込めるという時代がありました。しかし、競合となるECサイトの増加や消費者行動の変化によって、制作会社はECサイト構築後も、運用や支援を依頼されるケースが増えています。
自社ECで売上を伸ばしていくためには、販促プランの検討やツールの開発・実装、効果検証と改善といったいわゆる「PDCA」サイクルを高速に回していく必要があります。しかし、このような検討と実装を行うには膨大な費用と時間がかかり、場合によっては開発が行われている間に新たな消費行動が生まれるなど、対応が後手に回ってしまうことも珍しくありません。こうした制作会社が持つ悩みを解決するアプローチとしてSaaS型のECプラットフォームを利用するのが有効と、フューチャーショップの安原貴之さんは語ります。
「自社ECを1社で開発するとなるとリソースは足りませんし、セキュリティに対するリスクマネジメントなども負担しなくてはなりません。これでは制作会社の持つ本来の強みが活かされない状況になってしまいます。SaaS型であればセキュリティはフューチャーショップ側が担保しますし、機能開発も定期的なバージョンアップによって実現できます。制作パートナーさんも売上アップのための提案やサイト改善に注力できるというメリットが大きいと考えています」
「売れる」サイトをデザインできる
自社ECサイトをSaaSで構築するとなった場合、制作会社としては提案したいデザインイメージとおりの実装ができるかといった点が気になるのではないでしょうか。フューチャーショップがECサイト構築のために提供するCMS「commerce creator(コマースクリエイター)」は、必要な機能を「パーツ」単位でレイアウトできる独自の仕組みによってこれを実現しています。
「これまで、いわゆる『ショッピングカート』では、ページのレイアウトが固定されて、いくつかのデザインパターンから運営事業者の要望に近いものを選んでいたと思います。commerce creatorではデザインテンプレートという考えはなく、HTMLを構成する要素をパーツ単位に分解し、自由に組み合わせてレイアウトすることでデザインカンプに限りなく近いページを構築できます」
デザインの自由度が高い一方で、ECサイト改善のために必要な解析機能としてGoogle Analyticsの「拡張eコマース」にも標準で対応し、管理画面から必要な機能をオンにするだけで利用可能となります。
「購買行動に特化したデータをグラフィカルに表示して流れを追えますので、例えば、流入から購入完了時までにどこで離脱したか、商品一覧でどの商品が表示されていたか、決済は何を選んだかといったイベント情報を把握できます。これにより制作パートナーは問題点の発見と精度の高い改善の提案を行いやすくなります」
さらに、Googleの検索結果にレビュー評価など、リッチスニペットを表示するための「構造化データ」に対応するほか、SEOを考慮したディレクトリ構成でページが出力されるなどの機能も備えています。
「可読性が高いことはGoogleのSEO対策の1つ。探し物が見つかりやすいサイトは、消費者にとっての利便性にもつながります」
SNS連携もいち早く対応して提案力アップ
futureshopでは消費者行動にあわせた機能追加も積極的に行なっています。例えば2018年6月に日本でも開始されたInstagramの「ShopNow」機能。これはフィードからダイレクトにECサイトの商品ページに送客できるものですが、futureshopはわずか2週間で同機能に対応しました。
「事前に海外の情報を入手し、準備を進めていたので早期にリリースできました。それから5カ月後には500店舗で導入を達成しましたが、ここまでのスピード感を持って新しいサービスに対応しているECプラットフォームはほかにあまりないのではと思います」
さらに2019年2月のバージョンアップでは、(株)バニッシュ・スタンダードが提供する、専用のスマホアプリを利用してコーディネートページを簡単に作成できる機能「STAFF START連携オプション」を追加しています。これはアパレルなど、店舗スタッフが撮影したコーディネート情報と商品情報をスマホひとつで紐付けて投稿できるというもの。これによりスムーズな購買導線を実現できるようになっているといいます。
「SNSの時代には、個人の取り組みを企業の売上にどうつなげていくかが求められています。こうした新しい取り組みにもいち早く対応できるのがfutureshopの強みです」
企画協力:株式会社フューチャーショップ