朝食文化の魅力を伝え、実店舗・ECサイトで売上向上 事例詳細|つなweB

推し商品を全面に打ち出しイメージ操作でリブランド

サービス開発を中心にお手伝いをした事例です。江戸時代から味噌・醤油の醸造をしている「上澤梅太郎商店」。先々代当主が、日光の名産品を開発しようと商品化したのがたまり漬です。現状、漬物市場は衰退の一途。加えて日光の観光客減少のダブルパンチで、20年以上も右肩下がりの経営状態でした。そこで私たちは実際に3~4時間ほど店舗に立ち、お客さんの様子を観察しました。混む時間帯には波があり、どんなお客さまがどう買物をしているか調査できました。その商品の動きの裏付けのため売上を見ると、「らっきょう」が評価されていることが一目瞭然。しかし中には原価率が高い商品もあり、売れば売るほど赤字になるという状況でした。商品の魅力と分量、相対的な価格を考えると、価格と分量の調整だけで利益を捻出できそうです。値段を上げるために改めて強みをクローズアップして、リブランディング。らっきょうのイラストビジュアルをつくり、カタログをはじめ、店舗、Webサイトすべてを一気通貫し、前面に打ち出しました。

抵抗なく価格を上げられたため、粗利率は10ポイント以上増加。ひとまず会社の窮地は脱することができました。

次なるイノベーションのため、社長一族にヒアリングを重ねたところ、本当に実現したいことは「自分たちの食文化を外に伝えたい」ということが浮き彫りになりました。そこで、彼らが大切にしている「朝食」テーマにしたレストラン開業を企画。Webサイトのグローバルナビに「上澤の朝食」というメニューを作成。お客様とメディア向けに特徴的なサービスをアピール。ここで朝食を食べた観光客が「美味しかったね」と通販サイトに戻ってくる仕掛けを、今準備している最中です。

店舗前でも同じビジュアルをプッシュしてイメージ訴求
八波志保、高橋陽子(Playce)
※Web Designing 2019年12月号(2019年10月18日発売)掲載記事を転載

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