Google自身が語るGoogleアナリティクス4の意味と意義 事例詳細|つなweB

今回、Googleアナリティクス4(GA4)の特集記事制作に際し、Googleに質問を送ったところ、回答が届きました。GA4にはどんな狙いがあり、どう使ってほしいのか。Googleが自らの言葉で語ってくれました。Web制作やマーケティングに関わる皆さんにとって、必読の内容です!

 

Q1・GoogleがGA4のアップデートに込めた狙いや思いは?

まずはUAからGA4へのアップデートが、どんな狙いのもとにつくられたのかをストレートに尋ねてみました。その質問からは、Googleが特に注目しているWebの世界のトレンドが見えてきました。

ユニバーサルアナリティクス(UA)は、サードパーティーCookieと測定可能なデータのある世界に適したツールとして設計されました。しかし、そのような世界は急速に変わりつつあります。

広告プライバシーに対する人々の期待は変化しています。自分のオンライン情報がどのように収集され、広告に使用されるのかについて疑問に思っている人々は少なくありません。

そういったプライバシーへの期待の高まりを受けて、ブラウザやモバイルOSにおいて、ユーザーデータの取得、共有、測定の方法を変更するための新しいポリシーの発表またはテクノロジーを実装しています。また、サードパーティのCookieやモバイル広告の識別子を制限することで、サイトやアプリ間でユーザーを追跡する仕組みから脱却しつつあります。プライバシーとテクノロジーが変化するなか、マーケターは拠り所とするインサイトを継続的に獲得するために、測定に対するアプローチを抜本的に見直す必要に迫られています。

測定における“次の未来”は、「ファーストパーティデータ」、「ユーザー同意」、そして「モデリング」です。Googleアナリティクス4(GA4)は、ファーストパーティデータとGoogleのAIを組み合わせたプライバシーに配慮した測定手法を用い、現在および将来の効果的な測定を行うことで、プラットフォーム間で統一された顧客理解を提供することを目指しています。

 

Q2・GA4へと進化を遂げた背景にはどんなものがあるのでしょうか。

UAからGA4へは「セッション軸」から「ユーザー軸」へと考え方の変化があったと評価されています。なぜそうした大きな変化を実行したのか、その背景にはどんな考えがあるのかを尋ねてみました。

今では、ビジネスと接触するタイミングやその形態は、自分で好きなように選ぶことが当たり前になっています。たとえば、ある商品を購入する際に、まず情報収集のためにブランドのWebサイトを訪問し、後日そのブランドのアプリを通して購入に至る、といったことも珍しくありません。これからの時代に顧客のニーズを予測し、優れたエクスペリエンスを提供するためには、こういったクロスプラットフォームでのカスタマージャーニーを分析し、インサイトを得ることが不可欠です。

GA4は、アプリとWebを横断したユーザー中心(User-Centric)の測定基盤を、すべてのお客様に提供することをミッションとしています。GA4では、お客様がプライバシーの設定を管理できるなど、進化するプライバシーの状況に対応しながら、ファーストパーティデータを活用して、Webとアプリを横断したデータを包括的に分析することが可能になりました。測定できなかったデータについてもGoogleのAIが予測することで、補完できるようになりました。

たとえば、これにより利用者は、顧客価値予測をマーケティング戦略に取り込むことで利益率を向上させたり、オフラインとオンラインのメディアを横断した広告投資戦略の構築によりブランド認知の費用対効果を向上させたりすることが可能になります。それにより、マーケティングが企業の事業成長により結びついた投資と捉えられるようになるのではないかと思います。また、メディア企業は、GA4をご利用いただくことで自社のメディア価値をクロスチャネルでより正確に捉えることが可能になると考えています。

 

Q2・GA4に対して戸惑いを感じているユーザーに伝えたいメッセージは?

GAのユーザーの中にはUA→GA4への変化の大きさに戸惑う声もいまだ多く聴かれています。それに対してGoogleはどう思っているのかを尋ねてみました。

新しい計測の時代となりました。すなわち、それはすべての広告ソリューションに影響を与える業界の変化を意味します。

この新しい時代では、少ないデータが新常識(Less is more)です。サードパーティCookieなどを利用しない世界では、企業が保有するファーストパーティデータを最大限に活用することが最も重要です。プライバシーに配慮し、少ないデータからビジネスにつながる統合的なインサイトを得るためには、AI技術も不可欠です。

GA4は、UAの長所を取り入れつつ、現在のデジタル環境を反映し、将来の課題や変化に対応するユーザーのための新しいプラットフォームであり、UAよりも多くの機能を持っています。

 

Q4・UA時代のデータや資産、スキルをGA4で活かすヒントを教えてください。

UAとGA4の間に「分断」を感じているユーザーも少なからずいると言われています。そこで最後の質問として、これまでのUA時代に培ってきた経験やノウハウはGA4時代にも活かせるものなのか。その点を尋ねてみました。

GA4は、UAの長所を取り入れつつ、現在のデジタル環境を反映し、ファーストパーティデータ、ユーザー同意、そしてモデリングを軸に開発された新しいデジタル分析ソリューションです。UAとGA4の違い、そしてGA4でできることを紹介するWebサイト※1や、オンラインの無料ワークショップ※2などを公開しています。ぜひご活用ください。

たとえ時代の潮流が大きく変わったとしても、仮説を持ち、仮説を検証し、検証から新たな仮説を立て、そして絞り込むという改善サイクルを通じて、データから価値あるインサイトを導き出すことの重要性は変わりません。

GA4をご利用いただくことにより、皆さまのより魅力的なWebサイトの構築、そしてビジネスを成長させるお手伝いができることを願っています。

 

※1 アナリティクス ヘルプ
https://support.google.com/analytics/answer/10089681?hl=ja&ref_topic=9143232

 

※2 無料ワークショップ
https://skillshop.exceedlms.com/student/catalog/list?category_ids=6440-google-4

 

Text:Web Designing 編集部
Web Designing 2023年6月号(2023年4月18日発売)掲載記事を転載

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