2023年のデジタル広告環境に起こる4つの変化とは?DoubleVerifyが予測 事例詳細|つなweB
2023年のデジタル広告環境に起こる4つの変化とは?DoubleVerifyが予測

デジタルメディア測定などを手掛けるDoubleVerifyはこのほど、デジタル広告環境が2023年に迎える変化の予測について、4つの観点から公表した。

1点目の変化として、誤情報や偽情報に対する消費者の懸念が増加するという。同社が実施した調査によると、世界の消費者の68%が誤情報および偽情報のレベルが増加していることを懸念していることが明らかとなったようだ。また、消費者の61%は誤情報や偽情報だと判断したコンテンツの隣に何らかのブランドの広告が配置されていた場合に、そのブランドを再び購入、または使用する可能性が低くなると考えていることも明らかになった。

同社は経済が不安定になる現代について、「ブランドは広告費が強力なROI(Return On Investment:投資利益率)をもたらすことを確認する必要がある」と指摘する。虚偽や誤解を招くコンテンツと共に広告が表示されることは広告費の無駄につながるだけでなく、風評被害を引き起こすリスクとなる。これからの時代は、ブランドにとって安全な環境で広告を表示するためのソリューションがより重要視される見通しとのことだ。

2点目の変化はコネクテッドTVなどの振興プラットフォームの台頭だ。メタバースやビデオゲームなどブランドと消費者の接点は2023年以降も増加すると考えられ、各チャネルが消費者からの注目を確保するための新たな機会を提供するようになる。同社の調査によると、特にコネクテッドTVとストリーミングサービスの需要が高まっており、過去12カ月間で新たにサービスに加入した回答者はグローバルで55%、日本で47%だったという。

こうした機会をブランディングに最大限に生かすためには、広告主がこれらの環境における消費者からの関心を正確に測定できるようにする必要がある。これにより、ストリーミングサービスに表示される広告とソーシャル・プラットフォームに表示される広告の注目度を比較できるようになる。2023年に効果の高い広告投資を実行するために、アテンションに関する明確なインサイトが不可欠となるようだ。

3点目の変化はコンテキスト広告(文脈を考慮した広告配信)の重要性の高まりだ。各プラットフォーマーがサードパーティデータの規制を表明しており、広告主は従来のようにサードパーティーCookieを活用した広告配信が困難となる。そのため、広告主はプライバシーに配慮した方法でのリーチを求めるようになり、コンテンツの文脈に合わせた広告ターゲティング(コンテキスト広告)の重要性が増すとのことだ。

配信文脈を考慮したターゲティングとは、例えば、スポーツウェアに関する広告をワールドカップの報道がされているメディア上で一緒に表示するなど、自社の製品に関連するコンテンツと一緒に広告を表示させる手法だ。世界の消費者の67%が、自分が見ているコンテンツに関連する広告であればより関心を抱く可能性があると回答している。

4点目の変化は、消費者からのアテンションが重視される時代への変化である。ブランドは広告投資においてより強力なROIを提供する広告配信テクノロジーを好むようになる一方で、広告主はROIを高めるだけでなくこれまで以上に正確にパフォーマンスを測定する必要性に直面しているようだ。

音声広告の視聴から画面タッチに至るまで、アテンションメトリクスは2023年の主要な広告通貨となり、メディアとビジネスの成果を促進する。ブランドはアテンションメトリクスを使用して、認知度やコンバージョンを高める広告の運用結果を予測できるようになる。広告配信はタイミングが重要であり、世界の消費者の66%が、動画広告の最初の5秒間で興味を引けばその後も広告を閲覧する可能性が高くなると回答している。

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