米Amazonは1月10日(現地時間)、米国で「Buy with Prime」を本格展開すると発表した。無料配送など会員制サービス「Amazon Prime」のショッピング特典を使った買い物を、加盟店の外部のEC(電子商取引)サイトでも利用できるようにするプログラムで、昨年4月の開始から米国で招待制に制限した提供が続いていた。1月31日までに、条件を満たす米国の全てのマーチャントが利用できるようにする。
Amazonは同社のオンラインストアで、Amazon Primeの会員に、Prime対象製品の迅速な無料配送、シームレスなチェックアウト、簡単な返品といったショッピング特典を提供している。Buy with Primeによって、自前のECサイトを持つマーチャントがオンラインストアにAmazon Primeのショッピングサービスを組み込める。対象製品にはPrimeロゴが表示され、PrimeメンバーはAmazon.comと同じスムースな体験で買い物を楽しめる。
米国のPrime会員は1億5000万人を超えており、招待制プログラムではBuy with Primeを導入したサイトで、ストアを訪れた人が商品を注文するコンバージョンが安定して向上したという。例えば、マルチビタミンのHydralyteは14%の増加、スキンケア商品を販売するTrophy Skinの増加は30%を超えており、平均で25%の増加だった。
Buy with Primeを利用するマーチャントは、同プログラムを通じて販売ごとにフルフィルメント、保管、支払処理などのサービス手数料をAmazonに支払う。初期費用や長期契約は不要で、対象商品は柔軟に設定でき、Amazon.comで販売していない商品にも利用できる。
本格展開に伴って、Amazon.comのカスタマーレビューをBuy with Primeを利用するストア内に表示する新機能を追加する。すでに多くのECサービスプロバイダーがBuy with Primeに対応しており、1月10日にBigCommerceが「Buy with Prime app for BigCommerce」を発表した。コーディング不要のセルフサービス型統合によって、BigCommerceストアフロントにおいて簡単にBuy with Primeを設定できる。