セブンデックスに教えてもらう「仮説検証でサービスを伸ばす」 事例詳細|つなweB

Webサービスは、確固たるビジネス戦略があって初めて武器となる。本連載は、ネットビジネスで企業を成長させる過程を描くドキュメントである。

 

(株)セブンデックス

https://sevendex.com
UX/UIデザイン、ブランディング、マーケティングを主軸とした、総合支援を行うデザインコンサルティングファーム。東証一部上場企業からスタートアップまで、事業課題を解決。

 

 

データを起点に確度の高い施策を実行する正しい仮説検証方法

制作会社とクライアントをつなぐサービス「TWeb」を提供するW出版株式会社。さらなる成長を目指すもさまざまな課題にぶつかる。そんな中現れたのがコンサルティングファームのセブンデックスだった…この物語は7つのメソッドを使ってサービスを成功へ導くまでの物語です。

前回は無事UIデザイン、リリースを終えたTWeb。リニューアルしたサイトに満足していたのもつかの間、これからサービスを成長させ続けるために、データ分析、さらなる課題の特定、そしてその課題を解決するために最適な施策を実行する必要がありました。とはいえ、施策は闇雲に考えていっても非効率なだけで、きちんと根拠を持った上で仮説を考え検証していく必要があります。

この連載もついに最終章、7つ目のメソッドを披露します。果たして、TWebは改善を繰り返しながら成長させていけるのでしょうか!? 半年前には泣きべそをかいていた岡本ミノルは、一人前のWeb担当者になれたのでしょうか?

 

サービスはリリースしてからがスタートです。データ分析から課題を特定、効果的な改善を繰り返しサービスを育てます

 

タスクベースで原因箇所を特定する

岡本●無事にリニューアルが終わったー! これで一安心だな。

ホッティー●何を言ってやがる…TWebはまだ、スタート地点に立っただけだー!!

岡本●これで終わりじゃないんですかー! ていうか今回で最終章なのに新キャラ登場したー!

ホッティー●リリースの目的は? 見た目を綺麗にすることか? 違うだろ?事業を成長させることだろ? いきなり変わると思うか? 結果は見ないのか? どうする? 何をする?

岡本●蝶ネクタイが素敵な育ちの良さそうな紳士に詰められている、そして何も言い返せない…結果が全てだ…

ホッティー●そうだ、結果につなげるんだ。リリース後の状態を以前教えたKPIでモニタリングするんだ。

岡本●セッション数、送客数は増えていますが、コンバージョン率が悪いです…

ホッティー●何が原因か、データで特定しよう。その時有効な手段の一つがファネル分析だ。KPIで数字に変化があった部分を詳細に落として、どの時点で落ちているか把握するんだ。

岡本●今回だと、問い合わせへの送客の後、入力して、確認して、問い合わせ完了する流れですかね?

ホッティー●そうだ…はっ…見えたぞ…フォームの入力開始から確認までの間で落ちてやがる…岡本! すぐに原因を特定するぞ!! 真実は、いつもひとつ!

岡本●はっはい!(あの名探偵なのか…いろんなキャラが混ざっている気がする…)

 

リサーチ?ファネル分析

 

 

客観的主観!?

岡本●中村さんとホッティーさん、まるでキャラが違うな。衣装も白と黒だし…

中村●楽しんでいただけたようで何より、ハハハ!! ちなみにホッティーは私と同じくセブンデックスの代表取締役です。それじゃあ、実際に原因を特定していきましょう!

岡本●データで解ったのはここまでですが、どうやって特定するんですか?

中村●ここで行うのが「ヒューリスティック分析」です。UX/UIデザインに関わっているプロの視点から、客観的にサービスの課題点を洗い出していく手法です。今回お問い合せフォームに欲張って項目をたくさん入れましたが、具体的な改善点を洗い出しましょう!

岡本●客観的視点…例えば、ぱっと見て、どこが必須項目かわからない、とかですか?

中村●そう、その調子です! 一般的な問い合わせフォームの体験を考えた時に、次の行動を阻害する要因を洗い出します。他にも、半角と全角を受け付けるのか、ユーザー名は何を入れるかわからないなど、いろいろ出てきますね!

岡本●あ! スマートフォンで見てみると、押しづらさも感じます!

中村●このように情報設計、UIデザイン、ビジュアルデザインと多くの視点から洗い出すことで、早期解決に繋げるんです! 実際は1サービスで100以上の課題を挙げることもあるんですよ!

岡本●改善に向けて、出し切ってみます!

 

リサーチ?ヒューリスティック分析

 

PDCA、PDだけになってない?

岡本●こうやって仮説を出して施策に繋げるんですね! イメージ湧きました!

ホッティー●本当にそれで良いのか…それでできたつもりなのか…その施策の良し悪しを評価しないと次に繋がらないんだー!!

岡本●すっかり忘れてました…

ホッティー●私は最初に言ったよな? 「まだスタート地点」だと。今回の施策も一歩進んだに過ぎない。まだ一歩すら進んでないかもしれないんだ。そんな状況でどう思うんだ?

岡本●この結果を…次に繋げたいです…!

ホッティー●だよな? 大事なのは施策を行うことじゃない、その結果がどうだったか、検証評価し、次の施策に活かすことなんだ。そうやって施策の成功数を増やして伸ばしていくんだ。

岡本●どのように見ていくんですか?

ホッティー●手法はいろいろあるが、今回は前後比較で判断しよう。すでにページ単位でPVは取っている。効果は出ているか?

岡本●出てる…出ています!!

ホッティー●そうだ、これで今回のフォームの課題と解決策は正しかったと言える。同様に他にも成果を阻害する要因はないか考える。こうやって仮説検証を繰り返しながらサービスを伸ばしていくんだ! これからも、忘れずに取り組んでほしい。

岡本●本当に…お世話になりました!! で、ホッティーさんは結局何キャラ…いえ、なんでもありません!

 

リサーチ?施策評価の検証・評価

 

Text:(株)セブンデックス  Illustration:國廣 稔
Web Designing 2023年2月号(2022年12月16日発売)掲載記事を転載

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