Webサービスは、確固たるビジネス戦略があって初めて武器となる。本連載は、ネットビジネスで企業を成長させる過程を描くドキュメントである。
課題、ゴールのすり合わせは、アウトプットに直結する非常に大切な作業
制作会社とクライアントをつなぐサービス「TWeb」を運営するW出版株式会社。さらなる成長を目指すもさまざまな課題にぶつかる。そんな中現れたのが、コンサルティングファームのセブンデックスだった…この物語は7つのメソッドを使ってサービスを成功へ導くまでを描く物語です。
第1回はプロジェクトスタート編として、第1のメソッド「情報共有」について紐解きます。
最初に行うすり合わせは、今後のアウトプットに直結する非常に大切な作業。過去、現在、そして描く未来を明らかにすることで、進むべき道筋を全員でイメージすることが大切です。
そこで、現状の共有から想定される課題の洗い出し、そしてゴールイメージについて、初回のミーティング(MTG)でどのように認識をあわせていくか、すりあわせのポイントや整理方法を紹介します。
果たしてTWebの現状から、どんな未来が見えるのでしょうか?
TWebの目的は1つじゃなかった!?
中村●制作会社とクライアントを繋ぐサービス「TWeb」ですが、なぜこのサービスを立ち上げたのですか?
岡本●2015年頃から構想していたのですが、全国1,700社の制作会社情報を活用して、クライアントと制作を結ぶ事ができないかと考えたのがきっかけです。
中村●TWebの強みはどこだと感じてましたか?
岡本●1,700社は広告商品に出稿してくれているのですが、主力商品のデザイン雑誌のお墨付きがもらえるのが特徴で。TWeb上で実績を掲載、企業とマッチングできる付加価値が強みです。
中村●「あのデザイン雑誌のお墨付きなら間違いない」。そんな世界を描いてたんですね?
岡本●ですね。さまざまな強みを持った制作会社の価値を企業に伝え、マッチングに繋げたいんです。
野村●制作会社にとってTWebに載せるメリットは何ですか?
岡本●制作会社にとっても、TWebサービスで実績開示することで、自社のPR活動に繋がるんじゃないかと考えてました。
野村●なるほど…TWeb立ち上げの背景を聞いて気づいたんですが、もしかしてこのサービス、「マッチングプラットフォーム」、「PRメディア」2つの目的があります?
岡本●まさにその通りで! 制作会社にはPR活動の場として実績を投稿してもらい、企業は制作会社を見つける場。2つの想いがあります。
中村●オッケー! うおおおおお…見えてきたぞおおお!!
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目の前の課題に騙されるな!
中村●さあ、サービスをより良くするにあたって、現状感じている課題は何だぁ!? なんだ!? ナンダ!!
岡本●(背中から出ているのは何?…覇気…?)ええええ、えーと、いきなり理想を目指したので、強みを目立たせられてはいないかと…スミマセン。
野村●もー、ノブさん! 岡本さんが怖がってるから…ごめんなさいね、中村は気持ちが盛り上がるといつもこうで。確かにプラットフォームとメディア、どちらも大きい市場ですよね? それを同時に実現するのはかなり難易度が高いですね。
岡本●(あ、怒られてるんじゃないんだ)あと、制作会社の方に事例情報などを更新してもらいたいのですが、なかなか頻度が上がらなくて。
中村●俺たちも制作会社側の気持ちがわかるのですが、実績を開示するのって地道な交渉が必要なんです。権利関係もあったりして難易度が高い気がしますが?
岡本●1,700社の方々に弊社の人員で更新を促すのはかなり根気のいる作業だとわかりました。
中村●プラットフォームとメディア、2つの大きな役割を初回リリースから持たせたこと、実績発信の難易度が高いこと。この2つの解消が今回のポイントになりそうですね!
岡本●ななな、なんだか考えなきゃいけないことがちょっとずつ見えてきたような気がします…。
中村●よぉぉぉし! 本質課題が見えたぞぉぉぉ!(ゴゴゴゴ…)
野村●だからノブさん落ち着いて! 岡本さんが涙目になってるでしょっ。
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資産を活かしたサービスへ
中村●社内でプラットフォームを設計したことがある方はいますか?
岡本●社内にはいないですね…全社的にそういった経験はないです。
中村●プラットフォームは綿密なプロダクト設計が必要ですが、御社がリソースを持ち合わせてないのであれば、実現可能性はかなり低いのかなと。今の資産を活かせるメディアに絞るべきではないかと思います。
岡本●PRできるメディアだと競合も多いと思いますが大丈夫でしょうか…?
中村●方向性としては、2パターンイメージできています。1つ目は「リアルな制作まとめ」。全国の制作会社をあらゆる切り口で紹介するサービスです。1,700社の一次情報を活用できる御社ならではの方向性です。
岡本●制作会社に特化したサービスはないですし面白いですね!
中村●2つ目は各制作会社に特化したメディアです。「取り上げられることで箔がつく状態」を目指します。手間は増えますが、質の良い記事を出せるのが強みです。
岡本●制作会社にとって泊が付く状態は、理想に近いです!
野村●方向性が見えましたね! でもまだ根拠はないので、市場調査から勝ち筋を導きましょう!
?●お待たせチュン!
中村●ふっ…やっと来たな。
野村●もー。遅いですよー。
岡本●(ちゅ、チュン? 誰…?)
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