チーム体制づくりでもっとも心がけてほしいのは、誰が何をやるのか。役割の責任は誰なのか。必ず曖昧にせず決めて、最後はドキュメントに反映してください。
責任者の併記はNG!
ドキュメントと並行して決めていくのが、プロジェクトに最適化したチーム構成や体制づくりです。クライアント側と制作側それぞれについて、誰が何をやり、どういった責任を追うのか、という人員に関する体制をきちんと決めていきます。肝は、必要な役割を洗い出した上で、各役割に対して必ず氏名を明記すること。明記せずに組織名や部門/部署名、役職名だけ、という記載は控えてください。
名前の明記には、書かれた本人への役割の自覚を促すこと、責任の所在が曖昧にならないこと、という両方の目的と効果があります。特に責任者は単独の記載が理想で、併記しないこと! 併記だと揉める要因になりかねません。
仮にAさんとBさんの両者を併記した際、Aさんが休んだら、Bさんが決めてくれるのでしょうか? Aさんと話し合ってから、とならないでしょうか? AさんとBさんの意見が一致するとは限りません。意見が割れた場合、どちらの意見が採用されるのでしょうか? Aさんがいない席でBさんが決めた結果、別の日にAさんが決定を覆すことも起こりえます。そもそも併記が2名どころか3名、4名とならないでしょうか?
クライアントにしても、内部にしても、責任の所在を曖昧にしておきたいという本音に流されると、PMが機能しなくなります。たとえ併記は許したとしても、最終判断はどちらになるのかなどは、必ず詰めて、注釈を入れるようにしてください。

レビュープロセス図の用意も得策
体制図とともに、事前に設けておくと便利なのがレビュープロセス(確認フロー)をまとめた図です。「クライアントの担当者のレビューだけ」と思っていたら、部長や社長など何段階ものレビューが必要だった、ということはないでしょうか。レビューは時間がかかるプロセスなので、あらかじめ、何を誰がレビューするのか、ルールを定めておく方が得策です。事前に決めておければ、クライアントもルールに則り、レビューしてくれます。
さらに、要件や仕様に関することと、計画に関することでは、確認内容の種類が違います。それぞれで体制を変えた方がいいでしょう。要件に関わることは、現場に近い内容が多いため、役員クラスのような人たちが入らずとも判断が可能です。現場裁量で進めるべき確認内容です。
一方、スケジュールやスコープの変更など計画に関わる内容は、クライアントの担当者だけで判断できないことが多いです。関係部署への説明/承認、予算の変更、人の差配など、現場の裁量だけでは対応できない影響があるからで、この場合、一定の権限のある人たちの確認が必要です。
それぞれのプロセスについて関係のある人たちに対して、誰を経由して確認を行うのか? プロジェクトを進めるための体制図と一緒に、ぜひレビュープロセスについても事前に決めて、氏名を明記し(責任者の併記は避けて、責任者がわかるように)、ドキュメント化しておきましょう。

体制図をドキュメント化する
プロジェクトの進行阻害要因の中には、人に関わることも多分にあります。体制図やレビュープロセス図をつくっておけば、誰がどう仕切るかがはっきりします。プロジェクトマネージャーは、体制内の仕切り役が本当に仕切れているのかを確認。クライアント側の取り仕切りがうまくいっていなければ、躊躇なく指摘することが大事です。
PMの現場では、体制やレビュープロセスのルールが明確でないことから起きるトラブルは少なからずあります。例えば、デザインのレビューは担当者で終わりだと思っていたら、改めて社長へのプレゼンを求められたり、社長の日程が取れずにズルズルと遅れるケース。要件を決めるのは別部署で、その人たちに背景から内容まで改めて説明しなければならないケースなどです。
あらかじめルール化していると、クライアント側にも「無理を言っている」意識を持ってもらえます。社長プレゼンも過度な修正指示も、対応となれば負担やコストがかかります。先回りして確認しましょう。
複数の外部パートナーが案件に携わるケースだと、外部パートナーがすべてクライアントと直契約で横並びの場合、注意が必要です。要件や仕様の整合性のために、クライアントから他の会社のドキュメントのレビューに同席してほしい、という要望が出てくる可能性があります。案件の体制図から、事態を想定しこれに見越したスケジュールを組むなど、必ず自社だけでなく案件全体での体制図を意識しましょう。

同じ名前が何度も出てきたら危ない
プロジェクトの進行阻害要因の中には、人に関わることも多分にあります。体制図やレビュープロセス図をつくっておけば、誰がどう仕切るかがはっきりします。プロジェクトマネージャーは、体制内の仕切り役が本当に仕切れているのかを確認。クライアント側の取り仕切りがうまくいっていなければ、躊躇なく指摘することが大事です。
PMの現場では、体制やレビュープロセスのルールが明確でないことから起きるトラブルは少なからずあります。例えば、デザインのレビューは担当者で終わりだと思っていたら、改めて社長へのプレゼンを求められたり、社長の日程が取れずにズルズルと遅れるケース。要件を決めるのは別部署で、その人たちに背景から内容まで改めて説明しなければならないケースなどです。
あらかじめルール化していると、クライアント側にも「無理を言っている」意識を持ってもらえます。社長プレゼンも過度な修正指示も、対応となれば負担やコストがかかります。先回りして確認しましょう。
複数の外部パートナーが案件に携わるケースだと、外部パートナーがすべてクライアントと直契約で横並びの場合、注意が必要です。要件や仕様の整合性のために、クライアントから他の会社のドキュメントのレビューに同席してほしい、という要望が出てくる可能性があります。案件の体制図から、事態を想定しこれに見越したスケジュールを組むなど、必ず自社だけでなく案件全体での体制図を意識しましょう。


- 教えてくれたのは…下田 幸祐さん
- 株式会社JQ 代表取締役社長 https://www.j-q.co.jp/

- 教えてくれたのは…小原 和典さん
- 株式会社JQ プロジェクトマネジメント事業部 執行役員