鳥取県、関係人口創出にメタバース活用 - AIアバター職員が観光PR 事例詳細|つなweB
鳥取県、関係人口創出にメタバース活用 - AIアバター職員が観光PR

鳥取県は2月2日、地域と多様な関わりを持つ「関係人口」の創出に向けた取り組みとして、「メタバース課」の立ち上げとAIアバター職員の採用を発表した。

同日にはメディア向けの発表会が開催され、AIアバター職員とともに、今後のメタバースの活用方針が明かされた。

【関連記事】
≪富士通がメタバースで加速する持続可能な社会の開発、「MVP」って何だ?≫
≪富山県朝日町×博報堂、「お互いさま」の気持ちをデジタルで叶える共創サービス開始(前編)≫

AIアバター職員の名前は「YAKAMIHIME(八上姫)」で、NOBORDER.z(ノーボーダーズ)が開発したメタバースのためのAI搭載アバター「XANA:Genesis」をベースにしており、音声会話や感情表現が可能なAIを搭載している。YAKAMIHIMEはメタバース課の所属となる。AIにはおすすめの観光地など鳥取県に関する情報を事前に学習させており、日本語と英語でコミュニケーションが可能だ。

鳥取県は2022年に、地方創生と地域経済活性化を目的にしたNFT(非代替性トークン)プロジェクト「ASTROBOY x JAPAN NFT」に参加しており、今回の発表は同プロジェクトに関連した取り組みとなる。

同プロジェクトでは、NOBORDER.z、手塚プロダクション、J&J事業創造が主体となり、鳥取県の観光地とともに「鉄腕アトム」が描かれたNFTトレーディングカードが販売された。同カードの売上の一部は、鳥取県の地域活性化や観光PR活用の寄付金として寄付される予定だ。

今回、鳥取県はNOBORDER.zの協力の下、NFTトレーディングカードゲームを展示するギャラリーを設けたメタバース空間を作成し、メタバース内を案内するPR担当職員としてYAKAMIHIMEを起用する。

メタバース空間は、NOBORDER.zが提供するプラットフォーム「XAXA」(ザナ)に構築されている。メタバース空間へのアクセスには専用のアプリが必要となる。なお、今後、AIアバター職員には、鳥取県のホームページからもアクセスできるようになる予定だ。

鳥取県では、NFTを活用した地元応援プロジェクトや観光・物産振興のほか、従来なかったような人と自治体との新たな関係性の構築において、メタバースに期待を寄せる。

鳥取県知事の平井伸治氏は、「本日、鳥取県はメタバースに進出することを発表する。メタバースにより自治体のPRのチャンスがより拡がると考える。AIアバター職員を通じて、言葉の壁を乗り越え、24時間365日、世界中の人々とコミュニケーションをとっていきたい」と語った。

メタバース空間の活用においては、ギャラリーに特産品などの商品を展示して、直接販売するなどの活用も構想する。

将来的にメタバースの利用者が増える中では、メタバース課へのリアル人材の採用などもあり得るという。

関連記事