LINEで丸をつけるだけ、のイメージ共有法 事例詳細|つなweB

はじめまして、小島香澄です。今回よりコラムを担当するにあたり、少し自己紹介します。私の最初のキャリアはハウスメーカーの営業でした。その時に作成した資料のデザインを上司に褒められたことをきっかけに、専門学校に半年通い、Web制作会社にデザイナーとして転職しました。その後、SNSを通じてゆうこす(菅本裕子)と知り合い、2019年の春、彼女が代表を務める株式会社KOSに入社、現在は会社で扱うサービスやプロダクトに関するWebサイトやSNSのクリエイティブを中心に制作しています。こうした機会をいただくのは初めてですが、温かく見守っていただけると嬉しいです。

さて、本題です。弊社では2月頃からリモートワークが始まりました。普段から代表が多忙でほとんど顔を合わせず仕事をしていたこともあり、体制はすんなり整った印象です。リモートワークでは、より気軽にチャットでやりとりできる一方、メッセージが溜まって確認漏れが起きたり、表情がわからない分、言葉選び一つで認識がすれ違ったまま業務が進んでしまうことも多々あるように感じます。

私も当初、丁寧につくり込んだ資料を用意して送ったりしていましたが、決定権者が忙しい場合、読んでもらう時間すらないこともあります。そのため、リモートになってからは特に、まとまった完成形を早く出すことよりも、その前段階の擦り合わせを念入りにするようになりました。そうすると、完成後の「思っていたものと違う」という手戻りも防げます。

以前はムードボードの共有ひとつとっても、Pinterest上でイメージにあった画像を集めて、そのURLを送って共有するのみでした。残りは、対面での打ち合わせで擦り合わせできていたからです。リモートになってからは、画像を集めたボードをLINEで送り、イメージに合うかどうか「○」や「×」をつけてもらう方法に変更しました。2~3度繰り返すことでイメージの認識を合わせていくことができます。弊社の場合、もともとクリエイティブのチェックや業務連絡をLINEで行なっていたため、すべてLINE上で完結できる形が負担もなく、このやり方に落ち着きました。

依頼者自身ですら最初からクリエイティブに求めることを言語化できているケースはまれで、多くは「なんとなくこんな感じ」くらいしかイメージが湧いていなかったりします。もちろん、根幹となる部分はWeb会議で顔を見ながら話した方がスムーズであることも確かですが、「なんとなく」を形にしていくうえで、LINEで丸をつけるだけの気軽かつ直感的な方法も十分ありだと感じました。

今後も働き方はさらに変化していくと思います。はじめは失敗もありますが、「次はこうしてみよう」「こうすればすれ違いが減らせたかも」など、これからも仕事の進め方を試行錯誤していけたらと考えています。

LINEを使った実際のやりとり。「○」の共通点を探し出して、相手の持つイメージを具現化していきます
ナビゲーター:小島香澄
株式会社KOS デザイナー。ハウスメーカーに新卒入社、資料のデザインが褒められたのをきっかけに、デザイナーとしてWeb制作会社に転職。日々の学習記録をSNSで発信していると、“モテクリエイター”として活動するゆうこす(菅本裕子)の目に留まり、2019年より現職。ゆうこすの手がけるサービスやプロダクトのデザイン全般を担当。 Twitter:@_mi_su_ka_
小島香澄
※Web Designing 2020年8月号(2020年6月18日発売)掲載記事を転載

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