Microsoftはこのほど、Visual Studio Code May 2024 (バージョン1.90) をリリースした。このリリースには、エディターで複数のタブを同時に選択してアクションを実行できるようになったこと、拡張機能向けのGitHub CopilotのAPIが追加されたことなど、多くの新機能や機能改善が含まれている。アップデートの詳細は「Visual Studio Code May 2024」にまとめられている。
Visual Studio Code May 2024における主なハイライトと新機能は次のとおり。
○エディタの機能拡張
ワークベンチにおいて、複数のエディタータブを同時に選択して、一回のアクションで同時に移動や固定、閉じるなどのアクションを実行可能になった。選択範囲を変更するための新しいキーボードショートカットも追加された。
また、デフォルトの設定では、エディターのタイトルバーのアクションはエディターがアクティブな場合のみ表示されるが、これをエディターグループごとに常に表示する「Always Show Editor Actions」という設定が新たに導入された。これによって、エディターをアクティブにしなくても、常にタイトルバーからアクションを利用できるようになる。
○新規ウィンドウ用のカスタムプロファイル
従来は、新しいVS Codeウィンドウを開く場合にはアクティブウィンドウのプロファイルが自動的に適用され、アクティブウィンドウがない場合はデフォルトのプロファイルが適用されるようになっていた。バージョン1.90では新たに「window.newWindowProfile」という設定が用意され、この設定によって新しいウィンドウを開くときに適用するプロファイルを指定できるようになった。
○Notebookにおけるセル単位での検索
Notebookにおいて、検索コントロールで選択したセル内のみを対象とする検索が実行できるようになった。この機能は、「notebook.experimental.find.scope.enabled」を「true」に設定することで有効にできる。有効にした場合、セルの範囲を選択して検索コントロールを開いたり、検索コントロールのボタンで「セル内検索」に切り替えたりできるようになる。
○AIチャットAPIと言語モデルAPI
GitHub Copilotを使用して拡張機能を強化できる2つのAPIが追加された。一つはChat Participants APIで、これを利用すると拡張機能にAIチャット用の入力フィールドを配置し、GitHub Copilot Chatと直接会話ができるようになる。
もう一つはLanguage Model APIで、このAPIを利用するとgpt-3.5やgpt-4などのCopilotのAIモデルに直接アクセスできるようになる。これによって、拡張機能はAIを様々な機能の強化に利用することが可能。
これら2つのAPIはすでに完成しているものの、現時点ではVS Code Insidersの参加者のみが利用できるという。なお、VS CodeのJava拡張機能ではすでにLanguage Model APIで強化されているとのことだ。
○VS Code Speech拡張のテキスト読み上げ機能
VS Code Speech拡張機能にテキストの読み上げ機能が追加された。Copilot Chatの応答の読み上げにも対応しており、各応答のスピーカーアイコンをクリックすることで合成音声による読み上げが行われる。また、自動的に応答を読み上げるように設定することもできる。
○その他の変更点
上記の他、AIアシスタントのGitHub Copilot拡張機能の強化や、Python拡張機能の改善、ターミナルの改善、PowerShell用のIntelliSenseの修正など、多くの強化や改善が行われている。
Visual Studio Code May 2024は次のページよりダウンロードできる。
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