KDDI、京都府舞鶴市らが「丹後とり貝」安定供給に向けたスマート漁業事業の実証 事例詳細|つなweB
KDDI、京都府舞鶴市らが「丹後とり貝」安定供給に向けたスマート漁業事業の実証

KDDI、KDDIアジャイル開発センター、京都府舞鶴市、京都府漁業協同組合 舞鶴とり貝組合は8月24日、水産資源の安定供給および養殖環境構築のマニュアル化を目指し、IoTを活用した丹後とり貝のスマート漁業事業の実証を舞鶴湾で7月18日から開始したことを発表した。実証では、約1年かけて育成(養殖)される丹後とり貝の海洋環境をIoTセンサーにより見える化し、水深ごとの環境情報や生育状況をデータ分析することで養殖に最適な環境を導き出す。

養殖業務は年度によって豊凶の差があり、その原因ははっきりしていない。そこで、IoTセンサー機器で水深ごとの環境情報や生育状況を分析することで、データに基づき最適な養殖環境を把握します。養殖手法のマニュアル化により、業務の効率化、安定的な出荷、生産の増加、さらには産地づくりと担い手の育成、確保につなげるとしている。

この実証では、海洋環境のデータの取得およびデータの分析を実施する。稚貝の入ったコンテナを、水深3m、6m、9m、11m毎に沈め、海中へ設置した昇降機付のIoTセンサーで水深ごとの水温、溶存酸素、クロロフィル、塩分などの情報を1時間ごとに収集しクラウド上へ保存。また、約20日に一度の頻度で水深ごとのコンテナ内のとり貝の殻長、へい死などの成育状況を取得し、クラウド上へ保存するという。

取得した環境データと育成結果の関連性を分析することで、「へい死率が低く成長率の高い環境」などデータに基づいた最適な養殖環境の把握が可能だとしている。

今後は、分析データをもとに養殖手法をマニュアル化し、丹後とり貝の最適な環境を養殖業者へ共有することで、養殖業の効率化と舞鶴市全体で養殖の増産をめざす考えだ。

著者:早川厚志

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