プロモーションに活かすGA4速習実践ガイド 事例詳細|つなweB

あれこれ調べながら設定はしてみるものの、イマイチ使い方がわからないGA4…。そこで企業のWeb施策支援にGoogleアナリティクスを活用しているエポックメイカー合同会社の沖本一生さんに、GA4の必須設定から活用法まで、実務に活かせるワザを教えてもらいました。

 

沖本 一生さん
エポックメイカー合同会社代表社員 CEO
https://epoch-maker.com/

 

TOPIC1 UAとの違い_1. GAを活用する意義とGA4での変化

なぜGAが必要なのか? GAを活用する意義

GA4への移行が急務となり、あらためてGoogleアナリティクス(GA)について学び直している方も多いのではないでしょうか。しかし、GAの技術書等では計測値や設定方法等を網羅的に紹介していることが多く、実践的な学習という意味では“とっつきにくい”部分もあります。そのためここでは、実務の中でどのようにGAを活用していくのか、実務的な視点を交えて、GA4の特徴や設定方法等を解説していきます。

私たちは、企業の収益改善や、事業KGI・重要KPI改善を目的としたデジタルマーケティング支援を行っており、広告運用を含むPDCAサイクルを回す中で、施策の効果分析や新しい提案を行う際にGAのデータをより重要視して見ています。

ところで、広告ツールの管理画面でもコンバージョン数等は計測できるにも関わらず、なぜGAが必要なのでしょうか。その理由の一つは、データが広告等の各媒体で分散・重複することを防ぎ、一意の数値で計測することにあります。例えば、Google広告とFacebook広告という複数の媒体で施策を展開している場合、どちらも経由してコンバージョンがついた場合、おのおのの管理画面上でコンバージョン数が計測されカウントが重複してしまう場合があります。その点、計測データをGAに集約し、包括的に計測することで、一意の数値を取得できるようになり、コンバージョンの実数やクライアントが社内で把握している重要データとの乖離が少なくなることから、改善施策の判断にはGAのデータを用いることを基本にしています。

また、各媒体の情報をGAに集めることで、媒体ごとの効果測定に終始するのではなく、施策を全体的に俯瞰することも可能となります。アトリビューション分析等を通して、顧客接点としての各媒体の役割・貢献度を適切に評価し、より広い視点で深堀りして施策を検討できるようになる点も、GAを用いる利点の一つと言えます。

 

GA4でここが変わった 注目の機能と注意点

Web施策を考える上で、実数と計測値の乖離を小さくすることは重要です。その点でGA4では画期的な変更がありました。それが「Googleシグナル」の導入です。

従来のユニバーサルアナリティクス(UA)では、Cookieをベースにユーザーを同定していたため、1人のユーザーが、例えばパソコンとスマートフォンと、異なる端末で計測対象のサイトにアクセスした場合、違うユーザーとして計測されてしまう問題がありました。

この点、Googleシグナルを用いた計測では、異なる端末でも同じGoogleアカウントでログインしていれば同一ユーザーとして計測されます。一連のユーザー行動を端末をまたいで把握できることは、Web施策を考える上で非常に大きな利点です。

その他、機械学習による予測機能も強化され、広告ツールと連携しての活用で、広告の効果を高めることが期待されています。

一方で、注意が必要な点もあります。まず、GA4では、セッション等の定義そのものから変更が加えられたため、UAとGA4のデータでは、互換性・連続性がないものがあります。現在重要な計測対象としている指標については、GA4での定義を確認し、対応を検討しておきましょう。

また、UAのレポート群と比較するとデフォルトで用意されているレポートが少なくなっており、計測者がおのおのでカスタマイズして用いることが前提の仕様になっています。そのため、UA時代以上に、計測の意義やそのために必要な指標を考え、目的意識を持って計測計画を立てることが求められるようになったと言えるでしょう。

 

Point❶
計測データは「一意」であることが重要
Point❷
目的意識を持って計測指標を決めよう

 

GA4の変更点を押さえよう
Googleシグナルの導入で同一ユーザーを判定しやすくなったため、ユーザー行動の実態がよりわかりやすく。自社の個人情報保護方針を確認した上で有効化を検討しよう

 

TOPIC2 設定の基本_2. GA4を実務仕様にする基本設定

計測漏れに要注意設定は早めに行おう

カスタム設定を前提とするGA4への移行にあたり、GAの計測は「不可逆」である点は、あらためて留意したいポイントです。

GAでは、追加した設定は、追加した時点以降のデータに適用され、それ以前のデータに対しては、さかのぼっての適用はありません。特にGA4ではカスタム設定を行わなければ取得できない指標も多いため、計測漏れを起こさないよう、計測すべき指標をあらかじめ定め、早めに設定を行うことが重要です。

また、設定を追加する際は、テスト確認も併せて行うことを習慣づけましょう。GA4のリアルタイム計測やDebugView、Googleタグマネージャー(GTM)のプレビュー(デバッグコンソール)を活用することで、タグの発火や計測が想定通りの挙動で動作しているかを確認することができます。

ただし、コンバージョン等、計測するイベントによっては、レポートに反映されるまでに30分~1時間程度かかる場合があります。そのためテスト確認直後に反応がなくとも焦らず、反映を待つのがよいでしょう。

コンバージョンの設定方法について、UAとGA4では仕様が変わったため、慣れない間は注意が必要かもしれません。UAではコンバージョン設定で到達ページ等の目標を設定するだけでしたが、GA4では、(1)まずコンバージョンとすることを想定しているイベントを設定し、(2)そのイベントが計測されてからコンバージョンとして有効化する、という2段階での設定が必要になります。(1)で設定したイベントがレポートに反映されるまでに前述のタイムラグが発生する場合があるため、特に(2)の設定を忘れないよう気をつけましょう。

また、特定ページの閲覧をコンバージョンとする場合は、GA4では(1)のプロセスにおいて、到達ページ(page_location)の設定だけでなく、「event_name」を「page_view」にすることも必要です。設定漏れしやすい箇所なので、特に注意しましょう。

 

「不可逆」であることに注意
特にURLで指定するコンバージョン設定は、UA時代と違い2工程が必要に。公式サポートや解説書を参考に、手順を追って設定しましょう

 

プロパティ作成後、変更必須の初期設定

GA4の初期設定として、必ず設定・確認したいポイントを挙げます。主に「管理>プロパティ列」の各項目を設定していきましょう。

(1)データ保持期間の変更
データ保持期間が、GA4の初期設定では2カ月となっています。そのため、新規プロパティをつくったら「データ収集」から、データ保持期間を14カ月に変更しておきましょう。

また、GA4では最長14カ月しか計測データは保持されません。それ以上の計測が必要な場合は、あらかじめBigQueryとの連携等の方法を検討しましょう。

(2)Googleシグナルの有効化
端末をまたいだ計測に有益なGoogleシグナルですが、初期設定では有効化されていません。そのため、「データ収集」から、設定を行います。

(3)UAからの自動移行をオフに
UAから移行する場合は、「GA設定アシスタント」より、「GA4への自動移行」のチェックを外しておきましょう。

というのも、UAとGA4では計測データの連続性が担保されないため、自動移行により意図しない計測が行われる可能性があるためです。Googleの公式ヘルプでも、手動でのGA4への移行を推奨しています。

(4)各種ツールとの連携
「各種サービスとのリンク」列で、SearchConsole、BigQuery、Google広告等、連携できるものは連携しておきます。

その他、内部除外設定やクロスドメイン設定等の基本的な設定も行っておきましょう。一部UAから仕様が変わっているため、設定方法は公式ヘルプ等を参照してください。

 

Point❸
設定は早めに+動作確認を忘れずに
Point❹
プロパティ作成時、初期設定を必ず見直し・変更しよう

 

まずは確認! 必須の設定
データ収集に関する設定は、初期値のままだと有用な計測が行えません。新しいプロパティをつくったら、流れで一連の設定も変えるようチェックリストにすると◎

Point
その他、内部トラフィックの除外やクロスドメイントラッキングの設定も忘れず行っておきましょう

 

TOPIC3 計測のコツ_3. 設定の工夫で「欲しい」情報を計測する

GA4でも大活躍 UTMパラメータ活用術

GA4を広告等の施策に活用する上で下準備として重要なのは、設定指標や命名規則の統一ルールを社内で作成・共有しておくことです。

前述のとおり、計測は不可逆的であり、さらにGA4はカスタム設定を多く利用します。その点、広告運用等の施策では担当者がローテーションすることもままあり、設定を担当者個人の裁量に任せてしまうと、途中で設定を変更したり、パラメータの命名規則の違いによって、取得データの一貫性が損なわれる心配があります。

そのため、計測漏れや意図しないデータの分散が起こらないよう、共通の初期設定やパラメータの命名規則、施策の目的に応じたルール等をあらかじめ策定し、運用担当者全体に浸透させることが大切です。

代表例として、広告等の効果測定に不可欠なUTMパラメータの命名規則があります。UTMパラメータの仕様はGA4でも大きくは変更なく、従来通りの書き方でランディングページurlの末尾に付加すれば大丈夫です。ただし、アナリティクス上で正しく分類されるための一定のルールはあるため、一般的に用いられている命名規則・注意点を振り返っておきましょう。

まず、流入元を示す「utm_source」は、すべて英小文字を使います。媒体を示す「utm_medium」は、クリック型広告は「cpc」等、GA4のチャネルグループの定義にあわせることがポイントです。GA4では、チャネルグループは一部UAの分類よりも細分化されたため、一度、公式サポート等でチェックするとよいでしょう。

続いて「utm_campaigne」には、英数字で広告名をわかりやすく記載します。英字の大小は区別されるため、すべて小文字にする等のルールを社内で決めておきましょう。

その他、GA4でも「utm_term(検索キーワード)」や「utm_contents(広告コンテンツ)」はサポートされ、今後も計測できる項目が増える見込みです。

 

パラメータにはルールが大事
大文字・小文字の混在等、小さな違いが不必要なデータの分散を招く原因にもなります。命名規則等は社内で明文化し、遵守を徹底しましょ

Point
将来的には、クリエイティブやターゲット条件等のパラメータでの計測もサポートされる見込みです

 

イベント概念を攻略しよう カスタム設定の使い方

GA4の管理画面に変わって、レポートの見方に戸惑われた方も多いでしょう。特に流入元(参照元)はUA時代と違って、レポート群に独立した項目として並んでいないため、確認場所に気づきにくいかもしれません。

参照元のドメインまでであれば、集客レポート内の「ユーザー獲得」または「トラフィック獲得」画面を開き、折れ線グラフ下にある「セッションのデフォルトチャネルグループ」と書かれたプルダウンから「参照元/メディア」を選択することで、見慣れた形式で確認することが可能です。

一方、参照元のページURLまで知るには、カスタムディメンションの設定が必要です。このときイベントパラメータには「page_referrer」を指定します。

広告用LPの閲覧状況も、施策の効果を測定する上では計測したいものの一つです。しかし、GA4の自動計測イベント「scroll」は、ページの90%以上スクロールされた場合にしか計測されないため、実際の計測指標としてはやや使いづらい状態です。

そこで活用されているのが、GTMのトリガーを利用する方法です。例えば、スクロール距離を10%刻みで設定するのは一案です。その他、「要素の表示」というトリガーで、HTMLに記載されたidやCSSセレクタをトリガーにして閲覧状況を取得することも考えられます。このように工夫しだいで計測の幅が広がるのもGA4の利点と言えます。

ただしこうした設定は、データの送信回数が多くなり、GAのヒット数が急増する等の原因となるため、「トリガーの発生場所」で使用するページを指定し、限定的に使いましょう。

 

Point❺
複数人での運用を前提に、設定項目や命名規則はルール化する
Point❻
カスタムディメンションやGTMを活用して「欲しい」データを取得しよう

 

知っておくと便利な計測TIPS
イベントと各種パラメータの理解がGA4攻略のカギと言えそう。やりたいことから逆引きで調べながらGA4のイベント概念を理解すれば、計測は自由自在!

Point
スクロール率を設定すると急にアナリティクス上のヒット数が増える等の問題があるため、必ず「トリガーの発生場所」で対象とするページを設定しましょう

 

TOPIC4 経路分析_4. アトリビューションで顧客接点を評価する

ユーザー行動と顧客接点の「経路」を可視化する

GA4を広告等の施策に活用する上で下準備として重要なのは、設定指標や命名規則の統一ルールを社内で作

デジタルマーケティングでは、複数の施策を一連の流れとして捉え、それぞれの媒体の役割・貢献度を分析することが重要です。その際に便利なのが、アトリビューション分析です。

アトリビューションとは、サイトへの流入につながった媒体(接点・チャネル)のそれぞれの貢献度を一定の軸で評価し直すことです。GA4では、広告ワークスペースよりアトリビューション分析を行うことができ、評価軸(アトリビューションモデル)を切り替えてさまざまな角度から、各経路の貢献度を見ることが可能です。

ところでなぜ、アトリビューション分析が必要なのでしょうか。例えば、ECサイトで商品を購入した時のことを消費者として振り返ってみると、初回訪問ですぐに購入するということはあまりなく、何度か複数の媒体を経由してサイトを訪問して検討することが多いと思います。すなわち、購入等のコンバージョンに至るまでには、多くの場合、複数の媒体を通る「経路」が存在します。

しかし、従来的なコンバージョンに紐づく分析では、コンバージョンの直接のきっかけとなった最後の流入元(ラストクリック)しか見ることができません。例えば、あるユーザーが、ディスプレイ広告で商品を認知し、検討段階ではオーガニック検索でサイトを訪問しながら、メールマガジンのリンクから訪問した際に商品の購入に至った場合、ラストクリック基準で見れば、メールマガジンがコンバージョンにつながったように映ります。ところが、全体として実態を捉えると、ディスプレイ広告がなければ商品を認知することはなかったわけであり、つまりディスプレイ広告が最終的なコンバージョンに関与していないと言うことはできません。

このように、ユーザー行動の「経路」を可視化し、過小評価されがちなラストクリック以外の媒体の貢献度を捉え直すものがアトリビューション分析であり、特に施策全体の改善を考える際に有用です。

 

CVまでには道のりがある
「経路」を見るアトリビューション分析は、特に検討期間が長い商材の分析に役立ちます。コンバージョン数が想定より伸びていない場合に活用すると、改善のヒントが見つかるでしょう

 

経路分析で施策全体の効果を底上げしよう

GA4の数ある変更点の中でも注目すべきは、機械学習が強化された点でしょう。中でもEコマース設定をしている場合、「予測オーディエンス」が特に広告施策で強い味方となりそうです。(ただし、サンプル数の最小値等、利用が可能となるための前提条件があります)

「管理」からプロパティ列の「オーディエンス>オーディエンス候補>予測可能タブ」の順に開いてみます。すると、「7日以内に初回の購入を行う可能性が高いユーザー」や「28日以内に利用額上位なると予想されるユーザー」等のいくつかの項目を確認することができます。これが、GA4が機械学習でユーザー行動を分析し、それぞれの基準でグルーピングした「予測オーディエンス」です。

この「予測オーディエンス」は、GA4と広告ツールを連携することで、そのまま広告のオーディエンス(広告ターゲット)として利用ができます。そのため、例えば「新規獲得」を目的とするなら「7日以内に初回の購入を行う可能性が高いユーザー」等、目的に応じて適切な予測オーディエンスをセットすることで、より目標達成に近いユーザーに絞って効果的にアプローチすることが可能となり、ROAS(広告の費用対効果)の向上等が期待できます。

GA4では、取得できる情報が増え、機械学習によるサポート等の便利な機能が追加されました。しかしその真価を引き出すには、カスタムディメンションの設定やGTMとの連携等、活用する側のツール理解も必須と言えます。GA4の学習は、なにより「使って慣れる」ことが一番の近道です。まずは個人のブログ等、自分で裁量を持つことができるサイトを練習台に、さまざまな設定を試しながら運用のコツをつかむことがおすすめです。

 

Point❼
アトリビューション分析は、施策全体での改善点を見つけるのに役立つ
Point❽
適したモデルを選び、推測とのズレを探そう

 

よく使うアトリビューションモデル
単体のモデルで見るほか、複数のモデルを適用・比較することで新たなヒントが見つかることも。機械学習で評価してくれる「データドリブン」モデルの活用もおすすめです

Point
CVまでのユーザー行動の「道のり」を前期・中期・後期と分けてイメージしてみましょう。率直な推測とアトリビューションで異なる部分に注目し、原因・施策を考えていくことがポイントです

 

TOPIC5 Eコマース_5. ECのプロモーションに活用するGA4

購入商品や購入金額 ECに必要な情報を取得する

ECサイトのプロモーション施策においても、GAは不可欠な存在です。ただ、販売・売上というビジネスゴールがサイト上で完結することから、ユーザー数やコンバージョンの件数だけではなく、販売商品や金額に関する情報も欲しいところです。そこで活用したいのが、GAの「eコマーストラッキング」です。

「eコマーストラッキング」では、例えば、購入された商品や点数、購入金額の他、ユーザーごとのLTV(購入累計額)、配送料や返金額、購入までにかかった期間やサイト訪問回数といった、ECサイトでのユーザー行動や売上状況等の詳細な情報をを知ることができます。そのため、潜在/新規/既存顧客の区別や、顧客ロイヤリティの分布等、さまざまな角度からECマーケティングに直結する形でデータの分析を行うことができ、企業のビジネスモデルにより深く根差した施策を考えることが可能になります。

「eコマーストラッキング」の導入について、公式サポート等ではデータレイヤー変数の設定等、難しいことが書かれていてハードルが高く感じますが、SaaS型のECプラットフォームをお使いの方は、あまり気にする必要はありません。データを取得するためのコードの挿入はプラットフォーム側で対応されていることがほとんどですので、各プラットフォームのヘルプ等に従って簡単な設定をするだけで利用することができるでしょう。

また、UAのデータレイヤーはGA4と互換性があるので、UAでEコマース設定を自社で設定できている場合は移行難易度は高くないかと思われます。主要ECプラットフォームではGA4への対応を順次対応を進めていると思われるので、随時公式アナウンスを確認し、設定サポートの実装を待って対応するのがよいでしょう。また、自社構築のECサイトで社内での対応に不安がある場合は、移行サポートを行なっている専門業者に依頼することがおすすめです。

 

Eコマース設定でわかる情報
ECサイトの施策には売上情報等の分析も不可欠。eコマーストラッキングを有効化してGA上に情報をまとめ、一意に管理できるようにしましょう

Point
Eコマース設定で取得されているデータは、UAからGA4に移行した場合も、基本的には引き継ぐことが可能です。各種プラットフォームのGA4対応は順次進んでいますので、公式のアナウンスを注意して見ておきましょう

 

機械学習でROASを高める予測オーディエンス

GA4の数ある変更点の中でも注目すべきは、機械学習が強化された点でしょう。中でもEコマース設定をしている場合、「予測オーディエンス」が特に広告施策で強い味方となりそうです。(ただし、サンプル数の最小値等、利用が可能となるための前提条件があります)

「管理」からプロパティ列の「オーディエンス>オーディエンス候補>予測可能タブ」の順に開いてみます。すると、「7日以内に初回の購入を行う可能性が高いユーザー」や「28日以内に利用額上位なると予想されるユーザー」等のいくつかの項目を確認することができます。これが、GA4が機械学習でユーザー行動を分析し、それぞれの基準でグルーピングした「予測オーディエンス」です。

この「予測オーディエンス」は、GA4と広告ツールを連携することで、そのまま広告のオーディエンス(広告ターゲット)として利用ができます。そのため、例えば「新規獲得」を目的とするなら「7日以内に初回の購入を行う可能性が高いユーザー」等、目的に応じて適切な予測オーディエンスをセットすることで、より目標達成に近いユーザーに絞って効果的にアプローチすることが可能となり、ROAS(広告の費用対効果)の向上等が期待できます。

GA4では、取得できる情報が増え、機械学習によるサポート等の便利な機能が追加されました。しかしその真価を引き出すには、カスタムディメンションの設定やGTMとの連携等、活用する側のツール理解も必須と言えます。GA4の学習は、なにより「使って慣れる」ことが一番の近道です。まずは個人のブログ等、自分で裁量を持つことができるサイトを練習台に、さまざまな設定を試しながら運用のコツをつかむことがおすすめです。

 

Point❾
広告に「予測オーディエンス」が大活躍
Point❿
GA4理解には実践が一番

 

予測オーディエンスを活用しよう
「予測オーディエンス」の分類基準はECマーケティングとも親和性があります。新規獲得やロイヤルカスタマー候補への訴求等、目的に応じたオーディエンスを選び、広告効果を高めましょう

Point
広告の目的にあわせて活用することで、ROAS(広告の費用対効果)の向上に役立ちます

 

Text:原明日香(アルテバレーノ)
Web Designing 2023年6月号(2023年4月18日発売)掲載記事を転載