Google Chrome、プログラミング言語「Rust」の採用を発表 事例詳細|つなweB
Google Chrome、プログラミング言語「Rust」の採用を発表

Google Chromeチームは1月12日(米国時間)、「Google Online Security Blog: Supporting the Use of Rust in the Chromium Project」において、Chromium (Google Chromeの基盤となっているソフトウェア)においてRustライブラリの使用をサポートすると発表した。現在、ビルドシステムにRustツールチェーンの追加を行っており、来年中にはRustのコードがChromeのバイナリに含まれることになるだろうと説明している。

RustはC/C++と類似したシステムプログラミング言語。オブジェクト指向プログラミング、関数型プログラミング、手続き型プログラミングといった複数の特徴を備え、C/C++と同様に高速で、メモリセーフかつ並列性に優れているという特徴がある。MozillaがFirefoxの開発に使っているほか、オペレーティングシステムやその他のソフトウェアでRustの採用を実施または検討が行われている。

Rustは比較的学習が難しいプログラミング言語と考えられているが、C++の開発者であれば習得は比較的容易とされている。Chromium (Chrome)はC++で開発された大規模ソフトウェアであり、さらに同じWebブラウザであるFirefoxがRustを使って成功を収めていることから、Chromium (Chrome)がRustの採用へ移行するのは自然な流れと考えられている。

Rustはソフトウェア開発者が好むプログラミング言語の一つ。Stack Overflowが年に1回開催されている開発者調査において、Rustは7年間続けて最も開発者に愛されているプログラミング言語と評価されている(参考「開発者に愛されているプログラミング言語、嫌われている言語の第1位は? | TECH+(テックプラス)」)。

Google Chromeは世界で最も多く使われているWebブラウザであり、Google Chromeに発生するメモリ関連の脆弱性は多くのユーザーにとってリスクとなっている。Google ChromeはRustの導入を進めることで、徐々にこうしたメモリに関連する脆弱性が減少する可能性がある。