雑談減少で雰囲気下降状況を救った「Discord」
プログラミングスクール「RUNTEQ」を運営する(株)スタートアップテクノロジー。RUNTEQチームでは常に、「生徒へのサービスを向上するためにはどうしたらいいのか?」など、思いついたことをすぐに周りの人と会話をすることで、取り入れられるアイデアは即実践と、タイムリーに判断してテンポよく業務を行っていました。しかし、全社員完全リモートワーク開始直後、このテンポが鈍っていることに気づきました。
「最初の1週間ほどは、Zoomのみを使用していました。常時つないでチームメンバーの顔が見えるようにし、何か困ったことがあったらすぐに話しかけられるような状態だったにも関わらず、明らかにコミュニケーションが減っていました」
Zoomでつながっているとはいえ、オフィスで仕事をしていたときのように相手の状況が読み取れません。音声をオンにして呼びかけるのも、他の人にも聞こえてしまい、集中して仕事をしている邪魔になりかねない。なおかつ、生徒もZoomを利用しているので、彼らに聞かれたくない業務上の話はしにくいなど、気軽に声をかけづらい状況になっていたのでした。状況を改善すべくいろいろ試して選んだのが、ゲーマー向けボイスチャットアプリ「Discord」。
「Zoomは相手の声をミュートすることはできませんが、Discordはアプリ内のマイクとイヤホンにオン・オフの機能が備わっています。例えば集中して作業を進めたいときは音を消して、なおかつDiscord上の『集中部屋』に移動すれば声をかけられることはありません。会社で仕事をしていたときと同じ状況を再現したかったので、集中部屋のほかに、雑談部屋、喫煙所、受講生が質問に来る講師質問部屋、それからカラオケ部屋を用意しました」
どの部屋に誰がいるのかすぐにわかる上、部屋のネーミングもわかりやすいためどのような状態なのかも一目で把握できます。「オフラインのときより明確に状況を知ることができ、話しかけやすくなりました」と大城さんは言います。
オフラインとオンラインその違いの溝を埋める!
Discordを使うことで、雑談のしやすさを感じ、徐々に以前のような会話のやりとりが増えていったRUNTEQチーム。オフラインとオンラインの差をどれだけ埋められるかがリモートワークを円滑に進める上で大切だと感じました。
「Discord上の雑談部屋で雑談をしていると、ふとした瞬間にスクールの改善点の話で盛り上がることも。そこから課題改善に向けてみんなで動くのはまさにオフラインと同じ流れです。気軽に話せる場ができたことで、薄れていた一体感とテンポを取り戻すことができました」
また、根を詰めて作業をするエンジニアにとって、オフィスに流れる音楽にあわせて大声で歌うのはストレス発散となっていたそうです。リモートワーク中も同じ環境をつくろうとできたのが「カラオケ部屋」です。
「RhythmというMusicbotを使って音楽を流しています。選曲権は早い者勝ちなので、みんな自分の好きな曲をかけようと必死です(笑)。『今日の選曲良いね!』などカラオケ部屋内でコミュニケーションが広がることもあれば、雑談部屋から『〇〇さん、今日1日中カラオケ部屋にいるね』など、他所でのコミュニケーションのきっかけになることも。この部屋のルールとしては、歌声が入らないように音声はオフにすること。これができるのも、Discordが音声をミュートできるおかげです」
Discordは基本つなぎっぱなしで自由な雑談の場なのに対し、Zoomは必要なときだけつなぐ公式の場。事前に予定を立てて行う会議や受講生との面談、メンバー間の1on1などに利用しています。使い方を明確に分けたことで、会議もメリハリをつけてできるようになったそうです。
「Discordを導入してからは、オフラインに近い環境を実現できているなと思います。気軽に話しかけられるのに、邪魔されずに仕事ができる環境を両立できた結果、みんなのモチベーションも上がりいい方向に向いています」

ゲーマー向けチャット・音声通話ツール「Discord」(無償アプリ)は、テキストでのチャットだけでなく、高音質な音声チャットが可能なことが人気のツール。ゲームに特化して開発されたが、現在ではゲームの枠を超えて、デジタル会議のようなビジネスの場面や、授業のストリーミングなど、活用のシーンが広がっている https://discord.com/

個性的なチャンネルネーミングのRUNTEQチーム。始業したら「おはようございます」と声をかけ、自身の状況に合わせ入りたい部屋に入る。「カラオケ部屋」は、チャットでのやりとりも盛ん

- 教えてくれたのは…大城多香子さん
- RUNTEQチーム コミュニティマネージャー https://runteq.jp/