【技術選びの事例】体制構築も含めて案件の変化に対応 事例詳細|つなweB

株式会社ナディア https://nadia.bz/

[会社概要]
2004年6月創業、本社を構える東京・南青山と創業地の北海道・札幌に開発拠点を置くほか、関西圏にも京都支社を設け、事業展開。顧客課題の解決につながる、あらゆるクリエイティブを企画・開発している。
[開発体制]
●フロントエンジニア 9名
●クリエイティブ・コーダー 9名
●バックエンドエンジニア 1名

 

三上 有紀さん
エンジニアグループ 責任者

 

 

 

希望する技術に応じて社内チームを再編成

フレームワークを使用する案件のうち、モダンフロントエンド開発の割合は、おおよそReactが6割、Vue.jsが4割です。もともとは広告案件での演出、アニメーション表現を強みにしていた会社で、当初はあまりモダンフロントエンドを追いかけていませんでした。

転機となったのは、ソフトウェアの品質保証、テスト事業を展開するSHIFTグループへの参画に伴う、案件性質の変化です。SHIFTグループではReactを取り扱う案件が多く、弊社でも積極的にReactをはじめフロントエンド対応に注力をし始めます。

まずは社内のエンジニア体制を変更しました。以前は開発拠点(東京、札幌)の所属別で2チームに分けていたものを、モダン技術をはじめ各種フレームワークに対応するフロントエンドチームと、コーポレートサイトやキャンペーンサイト、CMS対応を担当するクリエイティブ・コーダーチーム、バックエンドチームの3チームへと再編成しました。

特性別でチームを割り振り、技術の流行り廃りが激しい環境の中でも、個々のエンジニアが希望するスキルを伸ばしていける環境を提供。同時に組織として幅広い案件に柔軟に対応できる体制づくりを模索し、2年経過しました。

 

外部パートナーとの協業が前向きなきっかけになる

フロントエンド開発について、私たちがエンジニアに求めるのは「設計」ができることです。クライアントと折衝し、技術選定を行い、案件を適切に開発する設計を立てた上でWebサイトを制作できるかについて、開発者1人ひとりに問いかけながら体制を組んでいます。

また、モダン技術を採用する場合、バックエンドを扱うことも多いので、専任のバックエンドメンバーとは別に、フロントエンドエンジニア自身が積極的に関わるようにしています。

近年の取り組みによって、外部パートナーやグループ会社との協業を通じて、自社への知見が蓄積しました。時には、ReactやVue.jsと異なる技術を指定された案件に対しても、テックリードに外部パートナーの力を借りて対応できる経験も積んできました。

その経験から言えることは、巡り合わせはありますが、外部パートナーとの協業はいい機会になります。特に最初は、「実案件に、実務経験のないモダン技術を選定していいものか」と迷いますが、自社で完結せず、外部パートナーの力も活用できると、確かな体制のもとでモダン技術を導入するハードルを下げてくれるでしょう。

 

 

URBANNET NAGOYA nexta BUILDING Digital Signage
NTT都市開発株式会社による「アーバンネット名古屋ネクスタビル」館内に設置されたデジタルサイネージのすべてを、WOW inc.が中心に開発。ナディアはVue.jsを使用したモダンフロントエンド開発で参画しています

 

POINT
経験のない技術が必要な案件では、外部パートナーとの協業も要検討

 

 

遠藤義浩
※Web Designing 2022年12月号(2022年10月18日)掲載記事を転載