【技術選びの事例】まずは自社開発からモダン化 事例詳細|つなweB

株式会社Fabric Arts https://www.fabric-arts.co.jp/

[会社概要]
2007年11月創業、広島に本社を、東京・福岡・島根に各支社を置く。ワンストップの開発体制を完備。コーポレートサイトやECサイトなどのWeb制作に加え、各種グラフィック、アプリ開発、システム開発などを手がける。
[開発体制]
●エンジニア 7名

 

西坪 由起さん
代表取締役
濱田 良和さん
広島本社 制作Div 執行役員

 

 

 

首都圏と異なる地方事情モダン技術導入のハードル

現状、Reactをはじめとしたモダンフロントエンドは、社内テストを行っている最中です。実案件では利用していませんが、自社サービスの開発体制を改善する上で、モダン技術を模索中です。この1年以内には、実案件への導入につなげたい考えです。それゆえ、現時点で案件に利用するJSライブラリを挙げると、主にjQueryになります。

弊社の置かれた状況を説明すると、私たちは広島に本社を置き、首都圏の案件を東京支社、九州全般を福岡支社、中国北部を島根支社に各拠点も置いて、それぞれ対応しています。

地元の広島やそれ以西のエリアは、弊社が手がける範囲では、案件に対してクライアントが技術を指定してくることがありません。また、首都圏と比べて1案件の規模、予算の金額感も相対的に抑えられています。こうした背景から、地方ではモダンフロントエンドを導入するハードルは高いと感じています。導入の有無は、クライアントに費用対効果をプレゼンテーションし、納得を引き出して初めて成立となりますが、技術を求めていないクライアントに、フロントエンドの側面でメリットを伝えるのは難しいでしょう。

 

自社サービス開発の改善にReact化を検討中

弊社は、自社サービスを手がけ、自社パッケージを提供する立場として、中長期的に開発体制をReact化できればと考えています。先にも触れた通り、約1年前から自社環境のリプレイスを含めて検討し、テスト開発中です。

私たちは、Reactをフロントエンドとしてというより、APIからデータを取得して処理できるバックエンドとフロントエンドをつなぐための技術として着目し、実用化を考えています。もともと私たちが、ワンストップでフロントエンド、バックエンドも含めてサービスを開発、展開している開発力が強みの会社です。さらに自社内の作業効率や生産性の向上を念頭に置いた時、中長期的な展望としてモダンフロントエンドの導入が必要と捉えています。

テストで社内検討を重ねる現段階の手応えとして、Reactで開発できると、直感的な操作が可能な仕組みがつくりやすいと思っています。例えば、パソコン操作ができる人であればサービスのメンテナンスもできる仕組みを「Reactで提供できないか」とも考えています。

もし実現できると、開発側のメンテナンス工数が減る効果を期待できます。クライアント側で迷わずメンテナンスができる仕組みになるので、運用側の工数が減少します。開発側の手離れも可能ですし、クライアントと開発側の双方で負担減になります。

広島以西を見ると、開発体制を完備した制作会社がそもそも少ないです。仮にモダンフロントエンドでWeb制作となると、オーバースペックになる案件がほとんどでしょう。だからこそ私たちは、自社の開発力を発揮しながら、バックエンドも含めた自社サービスやアプリを開発する際に、モダン技術の活用を選択肢にしていきたいです。

 

ベイシア 2023年度 新卒採用サイト
https://www.beisia.co.jp/recruit/freshers/
1都14県にショッピングセンターチェーンを展開する株式会社ベイシアが公開する、2023年度新卒採用サイト。Fabric ArtsがjQueryを活用して開発しています

 

POINT
自社サービスやアプリの開発からReactなどの新技術を検証するのも有効

 

 

遠藤義浩
※Web Designing 2022年12月号(2022年10月18日)掲載記事を転載