Instagram動画で集客。フィードやストーリーを使い分ける! 事例詳細|つなweB

一時は「インスタ映え」という流行語まで生まれた人気SNSのInstagram。フィード、ストーリー、ライブ、IGTVと4つの投稿場所があるのも特徴です。SNS担当者は、それらをどのように使い分けていくとよいでしょうか。

 

【SNS担当 仲野ヒトミ】
とある中堅メーカーに勤務する仲野さんは、ある日SNSアカウントの担当に指名されました。企業アカウントの「中の人」としての活動をウォッチしていきます。

 

ユーザー層が多様化し男性向け商材にも有用

Instagramといえば、比較的若い女性ユーザーが多く、オシャレでキラキラした写真が多く投稿されているというイメージがあるかもしれません。しかし、今はそれだけではないようです。ソーシャルメディアマーケティングを研究し、企業などの課題解決を支援する(株)ガイアックスの重枝義樹さんと吉田朋子さんは、こう話します。

「女性ユーザーによるオシャレな投稿が多いという傾向は今も引き続きありますが、近年はユーザー層がより多様化しています。男性ユーザーも多く、年齢層も広がっています。そのため、自動車メーカーやスポーツメーカーなど男性ユーザーの多い商材を持つ企業でもInstagramが活用されるようになってきました。特に最近は、在宅ワークになり家にいる時間が長くなった方が増えた影響で、男性をターゲットとした料理コンテンツや調理家電などが盛況のようです」

同社が推算したInstagramユーザーの年代別分布を見ると、10代から60代まで幅広く、男性ユーザーも4割~5割程度と多くなっています。いまや業種を問わず、企業にとってマーケティングに有用なプラットフォームになっているといえます。

投稿される写真に関しても、“映える”ものばかりではなくなっているそうです。

「インフォグラフィックスや文字主体のものなど、“読むInstagram”が増えてきました。また、ダイエット記録や家計簿帳としてなど、使われ方も多様化しています」

TwitterやFacebookといった他のSNSとは、どのような違いがあるのでしょうか。Instagramの特徴を伺いました。

「Instagramの公式アプリでは、DMで共有する機能はあるものの、リポスト機能がありません。情報が場違いに拡散されることが少なく、ほとんどがフォロワーかタグから検索されるか、発見タブというレコメンド機能で表示されるかという経路で閲覧されることになるので、“同じ物が好き同志で繋がる”という特徴があります。そのため炎上しづらく、場が荒れることを心配する企業も安心して使えます」

 

フィードは世界観を重視ハマらない投稿はストーリーに

Instagramには、「フィード」「ストーリー」「ライブ」「IGTV」と4つの投稿場所があります。これも他のSNSにはない特徴です。それ
ぞれ、どのように使い分ければよいのでしょうか。まずは、ユーザーのタイムライン上に表示されるフィードについて伺いました。

「フィードの投稿は、ブランドのカタログやお店の正面玄関のようなものです。“世界観を統一し、壊さない”ことが大切です。動画より静止画の方が見られやすい傾向があるので、複数枚投稿にして1枚目は静止画、2枚目以降に動画を置くというような使い方をするのもよいでしょう」

 そうはいっても、セールの告知などブランディング以外で使いたいこともあるでしょう。その場合は、24時間で投稿が消えるストーリーが有用です(アーカイブを残すこともできます)。

「フィードが“表の顔”だとしたら、ストーリーはそこにハマらないセールのお知らせや舞台裏を見せる“裏の顔”として利用されています。たとえば、人気のアイス店のスタッフが上手な盛り付けを練習する光景や、普段は表に出てこない雑誌の編集スタッフによる対談といった内容もあります。投稿を最後まで見てもらうための工夫としては、再生された瞬間に心を掴む内容にし、縦長動画で画面占有率を高くして目にとまりやすくすることがポイントです」

 

インスタライブではライブコマースが盛況

ライブ配信ができるインスタライブは、どのように使われているのでしょうか。

「最近は在宅ワークの方が増えた影響もあり、ヨガやフィットネスの動画が多くなっています。企業での使われ方としては、ライブコマースが盛り上がっています。たとえばアパレルブランドでは、モデルが着て服を紹介すると、ユーザーから『後ろ側がどうなっているのか見せて下さい』といったリクエストや質問のコメントがつきます。実店舗へ買い物に行きづらい昨今では、ECサイトだけではフォローできない接客の場となっています。あまり背の高くないモデルを起用することで、ユーザーに自身が着た姿をイメージしやすくするといった工夫をしているブランドもあります。人気のブランドは、ライブ中に完売してしまいます。1分以上の長時間動画を投稿できるIGTVは、インスタライブのアーカイブとして利用されることが多いです」

Instagramでは、動画の内容・目的によって適切な投稿場所が違ってきます。それらの特性を理解して、より有効にマーケティング活用していきましょう。

 

 

教えてくれたのは…重枝義樹
株式会社ガイアックス ソーシャルメディアマーケティング事業部 事業部長 コンサルティング及び運用代行部門の統括を務める
吉田朋子
株式会社ガイアックス ソーシャルメディアマーケティング事業部 マネージャー コンサルティング及び運用代行、初期構築を担当

 

Text:栗原 亮 Illustration:シライカズアキ