新世代ヘッドレスCMS「Kuroco」を導入し未来のWeb環境を構築せよ 事例詳細|つなweB

2022年のCMSの注目株といえば「ヘッドレスCMS」。ついに国産ヘッドレスCMSも登場しはじめました。そんな中でも最も注目を集めているKurocoとはいったいどんなCMS?

 

加藤 健太
株式会社ディバータ 代表取締役
1976年生まれ。早稲田大学理工学部機械工学科卒業。大学在学中、「一休.com」の創業メンバーとして参画。大学卒業後ソフトバンクグループでカー用品販売サイトの企画・構築・運営をはじめ、転職アドバイザーマッチングサイトの立ち上げ戦略・企画・システム設計・開発に携わる。2005年ディバータを設立、代表取締役に就任。
Kuroco
株式会社ディバータ
API志向のクラウドネイティブCMS。フロントエンドとバックエンドを完全に分離して、各クラウドやAPI連携をすることでさまざまなWebアプリケーションを開発できるようになります。 https://kuroco.app/ja/

 

今、話題の「ヘッドレスCMS」。従来のCMSとは異なる“フロントエンドのないCMS”は、Web制作・開発、さらにはWebマーケティングが直面するさまざまな課題を解決する存在として、いま大きな話題を呼んでいます。そんな中、日本発の高機能ヘッドレスCMSとして注目を集めているのが「Kuroco」です。エンタープライズ系CMSの流れを汲む、クラウド型のヘッドレスCMSであるKurocoは制作現場をどう変え、マーケティングにどう効くのか。開発元であるディバータの加藤健太さんに話を聞きました。

 

Kuroco導入で実現する自由度の高い“ヘッドレス”環境とは

日ごとに高まるヘッドレスCMSへの注目度。Kurocoのメリットを理解するためにまずは「ヘッドレスCMSとは何か」といった点から話を進めます。

─Kurocoは日本のベンダーからリリースされている数少ないヘッドレスCMSの一つ。ヘッドレスCMSについては、本誌の特集でも詳しく解説をしていますが、こちらでもその特徴を簡潔に説明していただけますか?

加藤 CMSの構造は、ユーザーとやりとりする「フロントエンド」と、データを扱う「バックエンド」に分けることができる(図01)のですが、そのうちバックエンド側だけを提供するのがヘッドレスCMSと考えるとわかりやすいと思います。

─そのメリットはどんな点にあるのでしょうか?

加藤 Web制作会社にとっては難解なバックエンド部分をヘッドレスCMSに任せてしまえるという点が挙げられるでしょう。近年、Webサイトに求められる機能は高度化し、その構造も複雑になっていますが、ヘッドレスCMSを導入すればフロントエンドとバックエンドを完全に分離することができますから、難解な機能の実装はそちらに任せてしまうことができます。そうすることで、本来得意とするUIデザインや体験構築といった領域に専念できるようになるのです。

─マーケティングについてもヘッドレスCMSを導入するメリットがありますか?

加藤 ヘッドレスCMSは接続するフロントエンドを柔軟に選択できるだけでなく、自由に追加したり、変更したりできるようになります(図02)。そのため、

今後ますます重要になるであろう「ワンソースマルチデバイス・サービス」を実現できること、さらには変化に強いしなやかな仕組みを構築できるといった点がメリットになると思います。

─そうした“分離した構造”を成立させるために、「API」が活用されていますね。

加藤 そこがポイントだと言えると思います。ヘッドレスCMSではフロントエンドとバックエンドのデータのやりとりをする際に、さらには別のデータサーバと連携したり、外部のサービスを利用したりする際にもAPIを活用します。

先ほどフロントエンドや機能を自由に変更・追加できるとお話しましたが、それを実現できるのも、APIを利用しているからなのです。

 

 

Kurocoが開拓する制作会社にとっての“新しい市場”とは?

これまでにない自由なシステム構造を実現するKuroco。その先に広がっているのは、これまで近いようで遠かった新しい市場です。

─そうしたヘッドレスCMSの強みを実現しているのが「Kuroco」ということですね。

加藤 Kurocoはエンタープライズ向けCMSの流れを汲んでいることもあり※1、“高機能なヘッドレスCMS”として設計しています。

─具体的にはどんな機能が搭載されていますか?

加藤 会員管理やメルマガ発行といった顧客情報を管理する機能や、承認ワークフローやステージング、認証といった運用に欠かせない機能、さらには課金システムとの連携やサブスク管理といったEC関連の機能など、Webサイトやスマホアプリ等でしばしば使われる機能をあらかじめ搭載しています(図03)。そうした機能を新たに開発する必要はありませんから、これまで外部に委託していたバックエンド側の開発コストを大幅に削減できます。

─もしその他の機能を追加したい場合でも、API連携で外部のリソースを活用しながら、Webサイト・サービスの構築ができるというわけですね。

加藤 その逆に、Web制作で培った技術や知見を他の領域で活用することも可能になります。上の図で紹介しているのは、ゲームの開発に使われる「Unity」を利用して、建設会社の顧客向け業務システムを開発した事例です(図04)。3D表示のためにゲームエンジンを使っている点も画期的なのですが、もう一つ注目してほしいのが、表示にWebブラウザを利用している点です。

─Kurocoを軸にAPI連携を行うことで、業務システムでもWebブラウザを利用できているというわけですね。そうなれば制作会社のUIデザインや体験設計の経験を活かすことができますね。

加藤 そうなんです。業務システムの市場はWeb制作の数十倍と言われています。制作会社にとって大きなチャンスの場になると思います。

─最後に料金やサポートについて教えてください。

加藤 従量課金の仕組みを取り入れていますので開発初期はほとんどお金がかかりません。支払いはビジネスが軌道に乗ってからということになると思います。一方、サポートで注目していただきたいのが「テクニカルサポート」です。有償ですがKuroco側、つまりバックエンド側の環境構築のお手伝いをします。これまでとは比較にならないほどの、リーズナブルな価格でシステム開発が可能になると思います。

※1:エンタープライズ向けCMSの流れを汲む
Kurocoは、これまで十数年にわたって使われてきたディバータのエンタープライズ向けCMS「RCMS」に代わって登場したCMS。長年にわたって利用されてきた機能を数多く引き継いで採用しています

 

 

 

 

企画協力:株式会社ディバータ

 

Text:小泉森弥