初めてのCMS、オススメはどっち? 事例詳細|つなweB

CMSの種類について見ていきましょう。大きく分けて無料で利用できるオープンソース型CMSと有料の商用CMSがあり、それぞれ代表的な例とメリット・デメリットを確認します。

 

無料で導入できるCMSとしては「WordPress(ワードプレス)」が有名です。個人のブログから世界的な大企業のWebサイトまで広く用いられ、CMSの中でも高いシェア率を誇っています。WordPress最大の特徴は、世界中の開発者が提供するデザインテンプレートや機能を拡張するプラグインを用いて、柔軟にWebサイトをカスタマイズできることです。また、参考書籍やWebの情報が豊富で、比較的初心者でも開発に取り組みやすい点も見逃せません。

一方で、これら多くの利点はデメリットと表裏一体です。まず、CMSとして機能させるにはサーバの設置や設定をはじめ、目的にあったプラグインの選定や動作検証が必要です。また、操作の疑問やトラブルが生じた際に開発元に相談できないことも不安要素です。さらに、利用者が多いためサイバー攻撃の対象になりやすく、セキュリティ上の問題が発生した際に素早く対応しないとWebサイト改ざんの危険性も高まります。WordPressでは、こうしたメリットとデメリットを慎重に比較検討する必要があります。

WordPressは無料で利用できるCMSの代表格です。しかし、すべて自力で開発するのは技術力が必要で、機能の追加も確認すべき項目が多くセキュリティ上の弱点となるおそれもあります

商用に適したCMSは、Webサイトの規模や目的にあわせて多種多様な製品があります。基本的に制作会社との話し合いで提示されたCMSから選ぶことになりますが、比較的小規模でも導入できて月額定額で利用できるサービスとしてはシックス・アパート社が提供する「MovableType.net」が知られています。CMSの機能自体がクラウドで提供されるため、サーバの設置や管理が不要です。また、常時SSL化などのセキュリティ対策も基本的にメーカー側が行い、公式のサポートも受けられます。また、用意されたデザインテンプレートはスマートフォン・タブレット表示に対応しています。クラウド型のCMSでは機能の拡張性やデザインの自由度にやや制約がありますが、不具合が生じにくい利点もあります。

費用は選択したプランにより異なりますが、月額数千円から数万円の範囲で固定となるため、想定外の費用が発生しにくいメリットがあります。設置するブログの数や利用ユーザ数、フォームやプッシュ通知、会員管理など必要な機能を考慮して検討してみましょう。

「MovableType(ムーバブル・タイプ)」にはサーバインストール版もありますが、クラウドサービスとして利用できる「MovableType.net」は比較的導入のハードルが低めです。MovableType.netの基本料金プランの一例です。契約はWebサイト単位となり、1アカウントで複数の契約が可能です。さらに大規模なプランも用意されています。https://movabletype.net
※Web制作・運用バイブル 2022(2021年11月8日発売)掲載記事を転載