ささげ、梱包、配送…ECサイト運営で必要な作業と効率化 事例詳細|つなweB

ECサイトの開設後は運用業務が始まります。受発注や発送はもちろん、取り扱うアイテムの企画や入れ替え、商品のリニューアル作業も必要です。多くのECサイトで共通する作業を確認します。

 

ECサイトはオープンしたその時から運営業務が始まります。たとえ商品が良いものであったとしても、その魅力をお客さんに伝えなければ購入にはつながりません。ECサイトでは欲しい商品の名称やカテゴリ名で検索することがほとんどなので、商品名が正しく記載されているのはもちろん、限られた文字数で的確に商品の魅力や利点を伝えなければなりません。また、実際に手にして商品の大きさや質感を確かめにくいため、美しいイメージ写真はもちろん細部がわかる写真やサイズや重さがわかるように工夫しなければなりません。この一連の作業を「ささげ」業務と呼ぶことがあります。

ささげ業務は外部に委託することも可能ですが、ショップ側でも用意できる体制を整えておくことをおすすめします。これはECモールに出店する場合も、独自ECサービスを利用する場合も共通と言えます。写真や原稿は簡単につくれるのではと考える人もいますが、とても奥が深い業務です。ささいな誤字や不明瞭な写真で興味を持ってくれたお客さんが離れてしまうこともあります。

商品情報の登録の際に、写真の「撮影」やサイズの「採寸」やスペックの確認、見た人が欲しくなるような商品説明の「原稿」作成が必要です。この一連の業務を「ささげ」と呼ぶことがあります

 

いよいよ注文が入り始めたら、これまで準備してきたワークフローに従って商品のピッキングと配送の手配を進めます。大手ECモールであれば倉庫や物流システムを利用できるため、在庫切れに注意していれば大きなトラブルが生じる可能性は抑えられます。一方で、自分たちで商品を梱包して発送するのであれば、在庫管理はもちろん設定したスケジュールを厳守して手配する必要があります。ECサイトではどのタイミングでどのくらいの注文が入るかわかりにくいため、他の業務との兼ね合いで作業がおろそかになりがちです。しかし、商品到着の遅れはお客さんの信頼を大きく損ないます。梱包の際に納品書や商品カタログなどを同梱することもありますが、小規模のECでリピート購入が期待できる商材であればシンプルな手書きのサンクスメッセージを添えるなどの心遣いも有効です。ECサイトで店舗のブランドを確立するのは難しい面もあります。しかし、丁寧な対応で信頼を地道に蓄積することは可能です。リピート購入のお客さんが増え始めたら信頼獲得の兆しと言えるでしょう。

梱包業務はシステム化されたECサイトにおいて、お店側のちょっとした工夫を出しやすい部分です。送料に影響しない範囲でメッセージカードを入れるなど試してみるのもよいでしょう

 

商品を届けて入金が確認できれば取引は無事終了です。しかし、その一度限りでお客さんとの関係性が終わってしまうのでは、商売の継続性は危うくなってしまいます。実際に、ECストアの多くはオープンから数年以内にECモールから撤退したり開店休業状態になってしまいがちです。また、売上の出ない時期が続くことへの焦りからWeb広告への出稿やクーポンを乱発するショップもありますが、多くの場合、その効果は限定的です。集客力が高いECモールであっても、十分な費用対効果を得るにはかなりのノウハウが必要と言えます。

事業を継続していくのであれば、堅実な運営ワークフローの実施とサポート体制を含めたアフターフォローによる信頼獲得が重要です。もしクレームがあったとしても、それは貴重なお客さんの生の声です。商品の企画や販売方法に活かせる内容であれば検討して、常に改善し続けることが必要です。安定した注文が得られるようになれば、利益率にも注目しつつ店舗を成長させることができるでしょう。ECストアであっても商売の基本は同じなので、画面の向こうのお客さんをイメージしながら日々の業務を円滑に遂行していきましょう。

事前にルールを明示すると同時に、問い合わせには柔軟に対応することも必要です。認知獲得のためのマーケティング活動も重要ですが、顧客の信頼を損なわない運営体制づくりが先決です

 

楽天市場でのショップ運営は「RMS」によって一元管理できます。主な機能としては、店舗ページの制作や商品の登録、注文一覧の確認から商品発送までの処理を管理する機能、発送案内メールや複数注文に対するメール一括送信機能、請求書や物流・決済サービスとの連携などバックオフィス業務、メールマガジンの配信、そして店舗の売上や顧客の行動をダッシュボード画面で確認できる「店舗カルテ」などが標準で備わっています。特に秀逸なのが店舗カルテで、アクセス人数を購入者数で割った「転換率」や客単価などECマーケティングに欠かせないコンバージョン率などの数値が、特別なアクセス解析機能を設定しなくても把握できるようになっています。さらに、新規顧客とリピート顧客の割合や流入経路、アクセスするデバイスがPCかスマートフォンかといった店舗の改善に欠かせないデータも手軽に把握できます。これらの解析結果から購入までの経路のどこで離脱するのか、カートに入れても購入に至らない「カゴ落ち」の理由が何かといった問題点を発見する手がかりを見つけることもできるでしょう。A/Bテストなど改善のための施策を検証するツールにも対応しています。

RMSの操作は開店準備の段階で慣れておく必要があります。まずはその基本機能の概要を理解しておきましょう

POINT
堅実なワークフローとたゆまぬ改善が
ECストア運営の王道

※Web制作・運用バイブル 2022(2021年11月8日発売)掲載記事を転載