Webサイトの分析・改善 PDCAの回し方 事例詳細|つなweB

Webサイト改善で陥りやすいのが、「どこを改善したらいいのかわからない」ということです。はっきり言えば、改善点はGoogleアナリティクスを入れたからといってすぐにわかるものではありません。

 

Webサイト改善のPDCAを回すには、まず最初に「事実に基づく仮説を立てる」ことが大切です。「事実」とはすなわちGoogleアナリティクスで取得したアクセス情報です。例えば「お問い合わせ数が期待より少ない」という現実があるとして、Googleアナリティクスではお問い合わせページへのアクセス数は決して少なくないならば、「お問い合わせが完了されてない」件数が多いことが考えられます。となると、お問い合わせまではいくものの、何かしらの原因で諦められている(離脱されている)のか? 聞きたいことは1つなのに、答えさせられる設問数が多過ぎて諦められているのではないか? という仮説が浮かびます。

逆に、お問い合わせページのアクセス数が少ないのなら、そもそも問い合わせをしたくなるほどの興味がないのか、お問い合わせページの存在に気づかないのか? お問い合わせへのリンクが目立たないのでは? と自然といくつかの仮説が出てくるはずです。それを有力な仮説から一つづつ検証していくといいでしょう。

アクセス情報の分析から、気になるポイントが「なぜなのか」を検証するにあたり、まずは何かしらの仮説を立てた上で考えると検証方法も具体的に考えやすいでしょう

本章の最後は、間違った方向にPDCAを回して時間や労力を無駄にしないよう、失敗しないPCDAのポイントを3つご紹介しましょう。

まず最初は、「自分たちだけで決め込み過ぎない」です。自社の事業について一番知っているのは当然自分達ですが、Webサイトの課題や対策方法を自分の経験や業界の常識だけに当てはめて決めてしまうと、最良な解決策に気づかないこともあり得ます。一方、制作会社は、他業界や他社で培った知見を豊富に持っています。課題や対策を自社内だけで決めてしまうのではなく、制作会社に相談して、彼らの知見を引き出すことが大切です。

2つ目は、「一度に多くの施策を行わない」です。いろいろと試したい気持ちはわかりますが、あれもこれもとやってしまうと、どの施策が効果があったのか、なかったのかもわかりにくくなってしまいます。

最後は「改善にいきなり大金を使わない」。まずは小さくでも確実に早く成果を出す「成功体験」を積み重ねていくところから始めましょう。

PDCAは継続的に中長期的な視野を持って取り組まなければいけません。社内ルールや勝手な思い込みは正しい改善の妨げにしかなりません。施策も欲張らず、一つひとつを丁寧に取り組み、正しい判断を繰り返していきましょう
※Web制作・運用バイブル 2022(2021年11月8日発売)掲載記事を転載