Webサイト運用を円滑にする社内担当者の選び方 事例詳細|つなweB

Webサイトはつくればおしまいではなく、むしろ完成した後の継続的な運用がスタートといっても過言ではありません。では、そのWebサイトの制作運用を担う担当者は社内でどのように決めればいいのでしょうか。

 

「Webサイト担当者」「Web担当者」とはどんな人がやるべきでしょうか。Webサイトの黎明期から、「PCが得意な若手」が選ばれるケースが非常に多かったと思います。確かに、PC(デジタル)に触れる機会が多く、それらに対する抵抗感がない彼らは「デジタルを扱う」という意味において候補になるかもしれません。しかし、年配者の苦手意識や恐怖心から逃れるためなどの理由が見え隠れするこの選抜方法では、Webサイトを使ったビジネス計画の失敗は目に見えているだけでなく、「押し付けられた」若手が一番迷惑を被ります。

制作会社と上司や決裁者の間に挟まれ、上司にはどこかで聞きかじった知識や何の根拠もない思いつきで無理難題をふっかけられ、そもそものWebサイトをつくる意義や会社としての戦略も把握していないまま制作会社に発注し、完成したWebサイトが何のためのものかもはやわからなくなる…笑い話ではなく、実際に数多く起きている事件です。制作会社にとっても、確認や質問をしても「上司に確認します」で一度引き取られ、数日かかって回答をもらえるという形に陥ると、進められるものもスムーズに進められず、無駄に時間を浪費する結果になりかねません。

もっとも自社のことを理解しており、現場の状況も把握できている人材が理想です。また、会社側も社および部署の意向を代表して判断できる権利を認めた代表者を選出すべきです

 

Webサイトの担当者はその会社のキーパーソンが行うのが理想です。キーパーソンというのは、会社の業務を一通り把握しており、自社の強みや弱みを正確に理解し、今ある課題はどんなものか、自社の目指すべき方向やビジョンが話せる人です。自社のことを一番よくわかっている人物が社長なら社長が一番ではありますが、それが難しい場合、ある程度の決裁権を持ち、社内の各部署の調整役ができる人材が好ましいでしょう。

なぜかというと、Webサイトは24時間対応できる営業マンだったり、サポート係なのです。また、昨今は新型コロナの影響でリアルの対面営業がしづらい状況の中、顧客を集め、ビジネスを回してくれる重要な役割を担います。

また、Webサイトで継続的に情報やテキストを発信しますが、それを受け取る利用者は、会社の公式な言葉として捉えます。いわば会社の総意を代表して発言しているということになりますので、担当者は会社の代表で発言しているという自覚が必要です。最近ではちょっとした発言が瞬く間に広がり、会社のイメージダウンにつながる「炎上」という事態がどこから起きるかわからない時代ですので、特に注意が必要です。

Webサイトの運営・更新作業は、本業の「ついで」の位置付けではついつい後回しになってしまいがち。「通常業務」として作業に必要な時間を意識する必要があると同時に、管理職は担当者の業務内容の見直しも重要です
※Web制作・運用バイブル 2022(2021年11月8日発売)掲載記事を転載