発注者がやらないといけないこと(4)齟齬が生まれない連絡方法と手段 事例詳細|つなweB

Webサイト制作は完成・公開まで長い時間がかかります。それだけ制作会社とのお付き合いも長く深くなっていきますので、お互いが思い違いもなく、スムーズにコミュニケーションできる方法を考えましょう。

 

制作会社は段階を追って制作を進めており、制作の進行に後戻りなどができるだけ起きないようにそれぞれの段階ごとで発注者に確認すべきことを確認し、お互いのイメージや方向性に齟齬や食い違いがないように問題点を一つひとつつぶしていきます。逆に言えば、制作会社は発注者の意向や判断を確認すべきポイントで報告や相談をしてくることになりますので、発注者の返事がないと進行が止まってしまうこともあり得ます。制作会社から報告や相談が来たら、その内容がOKであるなら「OKです」とはっきり返事をしてあげましょう。その相談が担当者レベルで即答できない場合には、社内確認にどれくらい時間がかかり、返信はいつ頃にするということを伝えましょう。

また、都度の確認・判断を明確&確実にするためにも、決裁権のある役職の人をスムーズに通せる確認体制をつくりましょう。同時に、確認時にどういった内容の発言があったのか、証跡を残せるようにしておいたほうが無難です。ちなみに、Webサイト納品後の支払い関係で、当初の金額とは変わってくることが一般的ですので、あらかじめ経理などの管理部署、決裁者に話を通しておきましょう。

はるか以前にデザインのコンセプトを決めて合意したはずなのに、実際のデザイン案が上がってきたところで前提を覆す修正の相談があっても制作会社は困惑するだけです

 

制作会社とのやりとりは、基本メールやチャット、SNSなどのメッセンジャー、最近ではZoomなどのWeb会議システムといったツール、あるいは電話で行います。ただ、自社のルールで利用可能な手段の指定があればその旨を相談すれば制作会社は対応してくれます。ただし、打ち合わせは自社に訪問してほしい、顔を合わせて定例会をしたいといった要望は制作会社の担当者の移動や時間拘束を伴いますので別途見積もりになる可能性が高いです。

制作過程での各確認事項も進行管理や進捗状況の共有としてExcelシートだったり、デザイン案の提出でJPEG画像など制作会社はクライアントと一番スムーズにコミュニケーションが図れる手段を選んでくれます。

一方で、制作会社のスタッフはデジタルツールの知識も豊富で、自分たちの業務の効率化を図る目的でさまざまなツールを試したりしており、こちらが知らないサービスやツールを紹介してくれることもあります。自分の慣れ親しんだツールが一番でありますが、意固地にならず新しい技術に触れてみると新たな発見や業務効率化のヒントも得られるかもしれません。 

細かな確認や相談はチャットやメッセンジャー、電話で、このプロジェクトの関係者全体に周知させる必要があったり、証跡を残すべき事項はメールで、ブレストなど打ち合わせが必要ならWeb会議でと必要に応じて使い分けます
※Web制作・運用バイブル 2022(2021年11月8日発売)掲載記事を転載