要件定義のつくり方~制作会社にお願いしたいことをまとめておこう 事例詳細|つなweB

相談したい制作会社の候補を見つけたら、お願いしたいこと(要件)をまとめてみましょう。また、複数の制作会社に同時にプレゼンしてもらう「コンペ」形式や相見積もりの是非についても考えてみましょう。

 

いよいよつくりたいWebサイトの具体的な内容を相談するための準備について説明します。もともとシステム開発でよく使われる用語に「要件定義」があります。これは「お願いしたいこと(=要件)を定める(=定義)」ということで、制作会社に依頼したい内容を具体的に、明確に示し合わせることを指します。Webサイトの制作は目に見えない作業や納品後にも発生する作業なども多いので、Webサイトの目的にあわせお願いしたい作業をクリアできるかどうか、自社と制作会社の間でチェックし同意した上で進めることになります。

例えば新規サイトの制作を依頼するなら、デザインやコーディングはもちろん、ECなら必要な要素(P74)のプログラム、そのほかサーバの契約、出来上がったサイトのメンテナンスや改修といったところまでお願いできるかどうか、いつまでにしてほしいのか、予算はいくらかなどを正直に伝えることが大切です。制作会社はその条件を確認しつつ、そもそものWebサイトの目的(クライアントの課題解決)に結びつく提案もしてくれますし、内容に沿った見積もりを出してくれます。提出された見積もりは、自分たちがしたいことの優先順位を明確にし、それにそってチェックしましょう。

 

 

相談したい制作会社が複数あり、例えばA社はデザインが秀逸だが、B社はマーケティングに強い…など、それぞれ魅力的なポイントがあった時など、「相見積もりをとる」「コンペを開催する」ということを考えたりするのではないでしょうか。複数の制作会社に同時に同内容の対応を見られるという点では効率的で良さそうですが、注意するポイントがあります。

例えば製造業で資材の購入金額で相見積もりをとる、ということはよくあります。これは資材自体が同一の上で、取引価格の相場の違いで判断できます。しかし、Webサイト制作となると、制作会社によって価格幅が大きいのと、この時点では完成イメージが明確になっていることは少なく、見積もり自体が最終的な支払い金額となることはなかなかありません。この時点で安い方にお願いする、という選択が果たしてWebサイトの本来の目的を果たすものになるかどうかは保証できないのです。

コンペの場合、複数の制作会社にプレゼンを要求することになりますが、それは同時に彼らにプレゼン資料などの制作時間を取らせることになります。最低限参加費用は用意するなどの配慮は欲しいものです。

 
※Web制作・運用バイブル 2022(2021年11月8日発売)掲載記事を転載