基本にして最強のスキル・Webディレクターのコミュニケーション力とは?(1) 事例詳細|つなweB
基本にして最強のスキル・Webディレクターのコミュニケーション力とは?(1)

Web制作のプロジェクトを動かすのは、ディレクターのコミュニケーション力と言っても過言ではありません。しかし、表面的なテクニックでは見透かされ、プロジェクトが変わればやり方も変える必要があります。本質的なスキルとして身につけるには、どうすればいいのでしょうか。ここでは、コミュニケーションが必要な場面ごとにポイントを押さえていきます。「Webディレクター育成講座」などを通して、ディレクターのキャリアやスキルについて発信している、株式会社サービシンクの名村晋治さんに聞きました。

 

名村 晋治さん
株式会社サービシンク 代表取締役 https://servithink.co.jp/
大学在学中の1996年からWeb制作に携わる。2010年に(株)サービシンク設立。不動産業界に特化したWebサイト、システムの設計・制作・運用等を行う。個人で主催する「Webディレクター育成講座」、Podcast「Webディレクションやってますラジオ」などでWebディレクターのための情報を提供中。 個人サイト https://web-directions.com/

 

【1_概要】 コミュニケーションの土台は、相手に興味を持つ姿勢

→「聞き出す」会話をすることで協力的なものづくりがでるから

 

「興味」はディレクターに必須の素養

そもそも、ディレクターにとって「コミュニケーション力」とはどんな力なのでしょうか。

一般的に「話し上手は聞き上手」と言われますが、ディレクターに必要なのは“聞く”ではなく“聞き出す”です。相手の口から出てきた言葉をただ受け止めるのではなく、狙いを持って聞き出す。これはディレクター自身に明確な意図がなくてはできません。その土台となるのが、相手に興味を持つ姿勢です。

確かに、学んで身につくテクニックは存在します。しかしそれ以前に、本当に関心を持って接してくれているかどうか、相手には伝わるものです。

いま何に困っているか、本当はどうしたいか、何を大切に行動したいか…など、相手の思いに興味を持つことなく、必要事項を埋めるだけのコミュニケーションでは、周囲の人の積極的な協力を得られず、独りよがりなものづくりになってしまいます。

あがり症で人と話すのが苦手な方もいるでしょう。しかし、興味を持って相手のことを考えていれば、たどたどしくとも言葉は生まれるものです。

他人にいきなり興味を持つなんて難しいと思いますか? しかし、知らなかった視点や価値観に出会うことは、仕事を超えて自分の世界を広げてくれる経験です。ディレクターを務める人にはこの姿勢がなくてはならないと考えています。

 

相手のすべてに「同意」しなくてもいい

相手の考え方に同意できなくても、会話はできます。ポイントは、意識して「なぜそうなのですか?」と質問に転換すること。自分と違うからと拒絶するのではなく、なぜそうなのかと理由を知り、そう考える人もいると認識することは、自分の世界を広げることに繋がります。これも、相手に興味がなくてはできないことです。

同意できる考えもできない考えも、聞いた経験は価値観の蓄積に

 

笠井美史乃/Illustration : 高橋未来