教えてくれたのは
間嶋憲太さん
株式会社マイナビワークス クリエイターHR統括部マネージャー
IT・Web領域専門採用コンサルタント及びキャリアアドバイザー。若手ヘッドハンターの取り組みを表彰する「UNDER 30 MATCHING AWARDS 2020」審査員特別賞を受賞。

マイナビクリエイター :https://mynavi-creator.jp/
テック系人材需要はコロナショックでも増加
この数年、国内ではテクノロジー系人材の不足が常態化しています。Web・ゲーム・IT業界専門の転職エージェント「マイナビクリエイター」の2021年8月の求人数は、2019年12月に比べて約200%に増加しています。
コロナショックの中でもIT系・ゲーム系の求人数は伸び続け、Web系も一時はディレクター・デザイナー職の求人数が減少したものの、エンジニア職だけは採用を続ける企業が多く見られました。
最近の傾向として、制作会社や開発ベンダーよりも、自社でサービスを提供する事業会社からの求人増加が挙げられます。背景には開発の外部委託費の高騰や、責任範囲の問題がうかがえます。業績を伸ばしているBtoBのSaaS企業を中心に、社員としてエンジニアを雇用する体制へシフトするケースが一つの流れになっています。
Pythonのスキルに関しては、IT系(機械学習・データサイエンス分野)よりもWeb業界(Webアプリ開発)の分野で需要が増えています。ただし、基本的にはPHP、Ruby、Javaのスキルを求められ、Pythonは歓迎されますが必須ではないのが一般的です。
Pythonは、データサイエンティストから非エンジニアまで、極端に広い分野で使われています。そんな中、Web業界で今後ニーズが高まるとしたら、Webアプリ開発×マーケティング分野でのデータ活用に可能性があると考えています。ログ解析とサービス改善は事業グロースの両輪であり、Pythonはその両方に強みがあるからです。
転職先はサービス内容で選ぶ
エンジニアの転職希望者は、潜在層は増えたものの顕在層(活動中の人数)にはあまり変化はありません。これは、テレワーク化によりオンラインのカジュアル面談やエージェントへの相談が容易になったことが影響していると考えられます。
また、エンジニアの求人件数が多すぎるために、情報収集に半年~1年程度時間をかけ、すぐには動き出さない方も多くいます。
最近は、エージェントにご相談いただく時点ですでに多くの情報をお持ちで、「自分の探しきれない情報や、気付けないことを教えてほしい」というニーズが増えています。
エンジニアの転職理由を調べると、現職がSIer/SESでは「事業会社で働きたい」「年収アップ」などが上位に入ります。一方、事業会社で働くエンジニアでは「より技術力の高い環境」を求める声が多くなります。ただ、誰もが共通して目指したい企業があるわけではないのがエンジニアの特徴です。
技術力が高くても、その企業が提供するサービスをつくりたいと思わなければ選択しません。また、信頼やブランド感も重視されます。カンファレンスに登壇するような有力なエンジニアが在籍していることも「その人が選択した企業」という意味でプラス要素になります。
企業にとっては、自社およびプロダクトのミッションをオープンに伝え、エンジニア社員による積極的な発信を促すことが、採用に欠かせない取り組みとなっています。
需要過剰は長期化今後も活躍し続けるには
転職活動は、多くの人がネガティブな理由から始めています。しかし、そのネガティブを取り除くだけでなく、今後の人生で何を成したいのかを定めて活動することが大切です。IT人材の過剰な需要は当面続く見通しで、採用ラインを下げる企業もあります。軽い気持ちで活動していたらポンと内定が出たという話もよく聞きます。
しかし本当にそれでいいのでしょうか。少なくとも3年後、5年後の自分を考えてから踏み出してほしいと思います。その結果、現職に残ることも選択肢のひとつです。
世界の技術レベルから見ると、日本はそれほど上ではありません。今後、海外人材の採用やオフショア開発がさらに広がったときに取り残されないよう、技術を磨き続け、人生の選択肢を広げていただきたいと思います。
