申込率アップのヒントは現場の声にありユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策 事例詳細|つなweB
申込率アップのヒントは現場の声にあり<br>ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策
ジー・ピー・アセット セミナー集客用LP :https://www.gp-asset.co.jp/lp/
                                                            https://www.gp-asset.co.jp/lp_ladies/
木島 怜史
株式会社センタード Webマーケティング本部 本部長
https://www.centered.co.jp

 

レガシー営業に限界が… セミナー集客にネットを活用したい

当プロジェクトの依頼主である株式会社ジー・ピー・アセットは、主に個人向けの不動産投資をサポートしている企業である。

対面営業など従来の営業手法に行き詰まりを感じ、新規顧客開拓にネット活用を検討。デジタルマーケティングに定評のある株式会社センタードに相談したことから長年の関係が始まった。

「不動産投資に関する見込み客獲得は、セミナーや相談会が最初の入り口となります。こうしたイベント集客は購買促進とは異なるノウハウが必要で、そのためイベント集客に実績のあった弊社にお声がけいただきました」(センタード・木島怜史さん)

当プロジェクトは、月一回の定例会を中心に進められている。その際、ジー・ピー・アセットには役員陣、広報、Web担当者のほか、営業担当者にも同席してもらうことが多い。なぜならセンタードでは、広告施策を考える上で「現場の声」を重視しているためだ。

「実際にお客様に接し、生の情報を持っているのは営業担当者です。現場の視点のない計画は、ときに机上の空論となりがちです。そのため、営業の方とは定例会以外でも随時コンタクトをとり、特にLP制作の前段階では、時間をかけてヒアリングを行いました」

 

ターゲット心理を深掘りし個々に合わせたLPを設計する

広告の受け皿となるLP(ランディングページ)は2種類を作成。ジー・ピー・アセットが女性向けサービスを強みとしていることから、女性向けLPを先行で制作し、その後、不動産投資者層の多数派である男性も取り込める一般向けLPを制作した。比較すると、全体的なトーンアンドマナーでターゲットを明確にし、構成についても、それぞれの関心や不安に合わせて細部を調整していることがわかる(下図)。

センタードでは、LP制作で重要な点はCV率とスピード感にあると考えている。

「LPは、長期で使用し企業イメージを醸成するコーポレートサイトとは違い、チラシのように短期間で興味を持たせ、またPDCAを高速で回しながら『結果』を出すことが求められます。そのため、入念なブランドのつくり込みよりも、内容のわかりやすさ、公開までのスピード感、更新のしやすさを重視した制作スタイルをとりました。デザインイメージについては、他のサイトを参考にヒアリングし、お客様のご要望に対しては、CVを獲得する観点からメリット・デメリットを説明し、判断材料を提供するよう努めました」

センタードのマーケティングの特徴は、消費者のインサイト(行動に至った動機)を、現場の声から分析することにある。

「検索ワード調査では『不動産投資 失敗』というキーワードが有力であり、ここから当初は『初めての不動産投資で失敗したくない』というインサイトを仮定してLPを構成しました。しかし、営業担当者の話からは、すでに不動産投資を始めていて『失敗からのリカバリ方法』を求めている参加者も少なからずいることが判明。そこで『よくある失敗事例』を追加し、自分ごとと感じさせる構成に変更しました。その結果、CV率や歩留まり率(→P119)の向上が見られました」

 

ヒントは現場にあり広告の「穴場」を見つける方法

単一ページであるLPは、SEO的な流入が期待できないため、広告施策がセットとなる。この点、センタードでは、「広告、受け皿(LP等)、PDCA」の3段階に分け、それぞれを水量とバケツの大きさに例え、広告施策の重要性をお客様に理解してもらうようにしている。

広告施策では、リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告、リターゲティング広告など一般的な広告手法に加えて、ポイントサイトへアフィリエイト広告を出稿した点が興味深い。

「出稿先のサイトで使えるポイントを、参加者プレゼントとすることを提案しました。不動産投資セミナーとポイントというと疑問に思うかもしれませんが、現場でのヒアリングや弊社のデータから、投資に関心がある方はポイントサイトの利用率が高いという行動特性が見つかりました。また、不動産投資に必要な自己資金の額から考えて、数千円相当のポイントでも十分なインセンティブになるという話でした。結果、他の広告媒体と比較しても高水準のCV率になっています」

インセンティブとは、参加者プレゼントなどのいわゆる「お土産」である。イベント集客では、このインセンティブ設計が不可欠かつ重要な要素となる。

「広告の出稿媒体に合わせて、インセンティブは変えています。例えば、先述のポイント付与のほか、Facebook広告経由の場合はAmazonギフト券をインセンティブに設定しています。これはSNS利用者はAmazon利用率が高い傾向があるためで、実際に使うものをインセンティブとしたことでCV率は2倍近く向上しました。ただし、あまり高額のものにしてしまうと、インセンティブ目当ての申し込みが増えてしまうため、申し込みの質には注意が必要です」

 

「歩留まり率」に注意成約までの流れをサポートする提案を

LPの公開後は、ヒートマップ解析やA/Bテストなどを実施し、継続的に広告とLPの最適化を行なっている。

この際、センタードが注視しているのは、イベント集客に特徴的な「歩留まり率」という指標である。不動産投資の業界では、セミナーの後、アンケートや個別相談会などを通して段階的に見込み客との関係を構築していくことが一般的である。この流れの中で次のステップに進んだ人の割合を歩留まり率と呼び、施策の成否を判断する際には重要になるという。

「私たちは、広告のCPAやLPのCV率という話に帰結してしまいがちですが、クライアントにとっては、広告やLPの成果は、最終的な成約に至るまでの通過点にすぎません。例えば、申込みフォームの項目を極限まで減らすことでLPのCV率は上げられます。しかし、その結果、後続のステップで営業がやりにくくなり、成約率が低下するのであれば、その提案は本末転倒です。重要なのは、表面的な数字に惑わされず、最終的な成約までを見据えて、現場に即した提案を行うことです」

ジー・ピー・アセットではマーケティングツールを導入しており、集客から成約までの見込み客の動向も追うことが可能である。これらの数字を定例会で共有しながら、センタードではWebに関する改善提案を幅広く行っている。

「コロナ禍で、セミナーもオンライン開催へと変化を余儀なくされました。その際も、リアルイベントとウェビナーの違いや見せ方のコツなどをアドバイスし、スムーズなオンラインへの移行につなげました。今後も単純な広告施策・制作を行うのではなく、クライアントの営業活動全体を理解し、Webの専門家としてサポートしていきたいと考えています」

 
原明日香(アルテバレーノ)