IR情報にはIR向けのCMSを導入! 目的別で使い分ける最適なCMS運用 事例詳細|つなweB
IR情報にはIR向けのCMSを導入! 目的別で使い分ける最適なCMS運用
三谷産業株式会社:https://www.mitani.co.jp
木下浩之さん
三谷産業(株)コーポレート本部 経営企画部 PR企画課 課長
宮城 誠さん
三谷産業(株)コーポレート本部 経営企画部 PR企画課
三浦志織さん
三谷産業(株) コーポレート本部 経営企画部 PR企画課
塩田壮雄さん
(株)クライマークス シニア アカウントエグゼクティブ
石崎貴道さん
(株)クライマークス ディレクター
https://www.climarks.com/

 

会社としての節目を迎え、幅広いユーザー層に広報したい

三谷産業(株)は1928年、石川県金沢市に創業した、北陸地方を代表する老舗の総合商社です。事業セグメントは6セグメントで、「化学品」「樹脂・エレクトロニクス」「情報システム」「空調設備工事」「住宅設備機器」「エネルギー」と多岐に渡ります。2015年には東証一部に上場し、自社による情報発信の重要性も増している状況です。一方で、一言では伝えづらい多様な業務領域に、主にBtoBを扱う事業の性質上、全国的な知名度もまだまだで、抜本的に広報活動を見直したいと考えていたそうです。

同社経営企画部は、従来からコーポレートサイト更新の担当部署でしたが、新規顧客獲得や投資家とのコミュニケーション、優秀な人材確保を念頭に置いた採用活動の観点からも、認知拡大につながるWebサイト運用についてテコ入れの必要性を感じていた、というわけです。

「創業90周年や東証一部上場など、弊社が節目を迎え、コーポレートサイトの活性化に本腰を入れるため、グループ内の子会社に委託していた更新作業を社内に移して、難なく安全に更新できる体制をつくりたい。そこで、CMS導入支援の実績が豊富で、IRや採用にも明るいパートナーとしてクライマークスさんに協力を仰ぎました」(三谷産業・木下浩之さん)

 

広報・PRとIR情報公開を強化
社内での更新体制を構築へ

三谷産業の望ましい運用体制とは、まずは広報・PRが対応しやすくなること。事業領域の6セグメントをはじめとする各部門に関するコンテンツや会社にまつわるニュースページについて、必要に応じて主体的に更新ができる体制を目指して、そのための手段としてふさわしいCMSを導入することでした。

「以前は、グループ会社とはいえ社外の組織に直接の更新作業を委託した状態だったのを、私たちの部門で更新作業できる形に変えたかったのです。そうなると、迷わずに操作できて、担当者が変わることがあっても引き継ぎしやすく、操作性は重視したいけれど、基本操作(テキストの編集、画像の挿入や差し替え)以外は担当者の都合で操作できないよう設定できるなど、私たちの現場にフィットしたCMSで情報管理したいと考えました」(三谷産業・木下さん)

そこで、パートナーのクライマークスは要望にあった複数のCMS候補を選定します。

「最終的にはオープンソースのCMS、concrete5(コンクリートファイブ)を採用しました。管理画面内に公開画面がそのまま表示され、編集したい箇所を選択すれば、見たままの状態で編集できる仕様だからです。経営企画部のみなさんには、テスト環境で候補CMSの操作を比較してもらいました。日頃更新する方々の操作感を尊重し、よりしっくりくるCMSを選んでいただきました」(クライマークス・石崎貴道さん)

もう1つ念頭にあったのが、東証一部上場以来、IR関連情報を自社サイトでタイムリーに反映できることです。検討の結果、クライマークスはIR専用のCMS導入もあわせて提案します。

「開示タイミングに対応する情報提供を目指すならば、IRに特化したCMSの導入が必須だと判断しました」(クライマークス・塩田壮雄さん)

 

TDnetへの開示情報に対応IRに特化したCMSで運用が確立

ここでIRに特化したCMS導入の背景について補足すると、更新頻度の高い情報を少ない人的リソースであっても、正確で迅速に対応できる運用体制を築くためだった、とします。

「TDnet(適時開示情報伝達システム)に開示した決算短信などを自社サイトで公開する場合、開示タイミングを更新担当者がその都度確認する必要がありました。何とか、この煩雑なフローを改善したいと考えていました」(三谷産業・木下さん)

IR情報の性質から確認をおそろかにできず、負荷が大きくかかる作業でした。そこで、IR関連の情報を伝えるページにIR向けのCMSを採用。例えば、TDnetに開示した決算短信や、EDINETに開示した有価証券報告書なども自動更新されるほか、四半期開示にも対応できるようになります。

「導入したマジカルポケット社のIRポケットであれば、決算短信に基づくデータのグラフ表示が簡単に行うことができましたし、登録者への自動IRメール配信も無理なく構築できました。社内体制ながら、手作業の不便さを払拭し、開示にタイムラグが生じず対応できています」(三谷産業・宮城誠さん)

他にもIRポケットの利点は、IR以外で導入するCMSと連携でき、本サイトで展開するデザインを崩さず実装が可能。投資家向けコンテンツの充実化のためにも、導入が決まったのです。

「IRに明るいWeb制作会社は数が限られてきます。社内運用の確立を目指す中には、IRのような専門性を求めるケースもあるでしょう。運用改善をしたい側は、パートナーの開発側に対して、専門分野についても対応できる領域なのかどうかを、事前に相談・検討できるとベターです」(クライマークス・塩田さん)

 

1つの部署に情報を集約サポートも備えた運用体制

同社ではコーポレートサイト運用を含めPR・IRを統括する部署としてPR企画課を新設。IR関連とともに、ニュースページなどを同課が更新中です。PR企画課に情報を集約し、PR企画課の裁量で更新できるフローです。CMS導入後も、運用面でクライマークスのサポートを受けながら、継続的な更新体制を確立しています。

「更新作業の担当になるまで、私自身は他のCMSも含めて操作経験がなく、不安でした。実際は十分なサポートがありますし、ソースコードに触れることなく更新作業ができるので、支障なく運用中です。HTMLを更新するよりも作業時間に余裕が生まれていて、ミス防止にもつながっています」(三谷産業・三浦志織さん)

コロナ禍を受けて、同社ではリモートワークでもCMSが運用できる体制を確立。現状は、PR企画課に所属する3名のみがテスト環境も含めてCMSサーバにアクセス権限を持ち、リモート環境も含めて更新できる状態になっています。

「運用体制を構築できたことで、CMS環境内で動作確認からテスト公開、本番対応までできています。安心の環境で簡便にやりとりできるのが、運用成果の1つです」(三谷産業・宮城さん)

リモート体制の時間帯が増えたことで、小さな単位のWeb会議も行いやすく、コミュニケーションフォローもしやすくなったそうです。

堅牢性も加味して、現状はPR企画課が情報を集約していますが、今後は各部門で更新担当者を設けるなど、運用の今後を模索中です。

「主体的に運用できるようになって、直近の小さな更新だけでなく、中規模のリニューアルに向けたアイデアを能動的に見つけられるようになってきました。世の中の動向にあわせて、社内で動的に対応できる強みをもっと活かせる運用を続けたいです」(三谷産業・木下さん)