制作会社との付き合い方:Webサイトのリニューアルで注意しておくポイントは? 事例詳細|つなweB
制作会社との付き合い方:Webサイトのリニューアルで注意しておくポイントは?

自社サイトのデザインが古くなってきたからそろそろリニューアルしたい…。その考え自体は決して悪いものではありませんが、単に見た目の刷新だけを考えると、リニューアルがうまくいかないケースもあります。ここでは、効果的なサイトリニューアルのために注意しておくべきポイントをご紹介します。



 

リニューアルの目的を考えよう

リニューアルを考え始めるきっかけは、やはり見た目からのことが多いと思います。横幅が狭くて要素がギチギチに詰まっていたり、スマホで見た時のレイアウトが中途半端だったり…。そういうWebサイトを今どきの見た目にすることは重要なことですが、せっかく新しいものにするなら、自分たちのビジネスにとって今よりプラスになるWebサイトを目指したいものです。

そのためにはまず、リニューアルの目的、ひいては自社サイトの目的を見直すことが大切です。商品のPRを行うことが目的なのか、カタログ請求やお問い合わせを増やすことが目的なのか、企業の信頼性を高めることが目的なのか。企業によっては、Webサイトをつくった当初から目的が変わってきているケースもあるでしょう。例えば、かつては企業の知名度が低く知ってもらうことが一番の目的だった、しかし今は知名度の向上よりも実際の問い合わせ数を増やすことの方が重要になってきた、といったケースです。リニューアルを始める前に、まずはこうしたWebサイトの目的を明確にして社内で共有し、関連部署と方向性がブレていないかを確認しておきましょう。
 

現状の課題をまとめて文書化しておこう

自社のサイトが現在抱えている課題の洗い出しも行っておくといいでしょう。数名のスタッフで会議をすれば、いろいろな意見が出てくるはずです。記事の更新がしにくい、文字が小さくて読みにくい、リンク構造が複雑で迷子になってしまう、など。出てきた意見はあとで制作会社に漏れなく伝えられるよう文書化しておきましょう。

場合によっては、事前に「RFP(提案依頼書)」を用意しておくという方法もあります。RFPとは、発注側が制作会社に対して、自分たちのオーダーを明確に伝えるための文書です。インターネット上にはRFPのテンプレートなども数多く公開されていますので、興味のある方は探してみましょう。
 

見えないコストを覚悟する

Webサイトの制作では、見えない部分のコストが軽視されがちです。「以前新規のページ制作を依頼したときの費用が○万円だったから、今回はその単価×ページ数くらいでは?」、そんな見通しは大きな間違いです。例えば記事管理システム(CMS)を刷新するならそのコストもかかりますし、お問い合わせフォームの要件が複雑になれば開発費も上乗せされます。リニューアルの要件次第では、見える部分にかかる費用よりも見えない部分のコストのほうが膨らんでしまうことだってあります。実際に見積りを提示してもらうまで、安易な算段はしないほうが良いでしょう。 

古いコンテンツは本当に必要?

以前からCMSを活用していた場合、膨大な記事がストックされているかもしれません。リニューアル時には、本当にその記事を残す必要があるのかをイチから見直してみましょう。確かにたくさんの記事ページがあれば、それがSEO面で有利になることもあります。しかし、訪問者にとってそれほど有益でないコンテンツや、開いてみないと内容がわからないようなリンクが多すぎて、訪問者が迷子になってしまうようなWebサイトもしばしばあります。そもそも既存のコンテンツを新しいWebサイトに活かそうとすると、エクスポートやインポート、そして新しいページテンプレートに合わせるための調整費用などがかかります。メリットとデメリットを考えた上でコンテンツの取捨選択を行いましょう。 

一番大切なのは「キチンと相談できる」こと

Webサイトのリニューアルでは、導線設計やSEO対策、さらにはEFO(入力フォーム最適化)など、気をつけるべきポイントがいくつも存在します。しかし、そうした専門的なことをすべて部署や自社だけで考える必要はありません。Webサイトづくりのノウハウを豊富に持っている制作会社なら、クライアントの課題を解決するための答えをいくつも持っているはずです。結局のところ一番大切なことは、制作会社にリニューアルの目的と抱えている課題をしっかりと伝えることです。例えばアクセス数を伸ばしたいならこういう施策、お問い合わせの率を増やしたいならこういう施策がある、というように、目的に合ったリニューアル案を制作会社が提示してくれるでしょう。

なお、制作会社に目的や課題を伝えるのは大切ですが、具体的なリニューアル案をガチガチに固めすぎてしまうのは考えものです。制作会社に相談する前に企業側だけで内容を決めすぎてしまうと、制作会社の提案の幅が狭まってしまうこともあります。また、あれもこれもと要求が増えすぎることで、本当に大切な目的が制作会社に伝わりにくくなってしまうかもしれません。

目的や課題ははっきりと伝えつつも具体的な提案はプロに委ねる、そんなさじ加減を意識しながら、制作会社と二人三脚でリニューアルを乗り越えていきましょう。

Text:Web Designing編集部 Illustration:高橋美紀