制作会社との付き合い方:サーバ・ドメインの契約を制作会社に任せていいの? 事例詳細|つなweB
制作会社との付き合い方:サーバ・ドメインの契約を制作会社に任せていいの?

イチからWebサイトをつくる際に、まず考えておかなければいけないのがサーバとドメインの契約です。なんとなく難しそうだし、制作会社に全部任せてしまったほうがよいのでは…と考える人もいると思います。しかし、サーバ・ドメインの契約まで制作会社に丸投げしてしまうと、後々トラブルに発展してしまうケースもあるのです。新しいWebサイトの起ち上げ時には注意しておきましょう。



 

サーバ・ドメインの契約方法は制作会社によって異なる

サーバやドメインの管理方法は、制作会社によって異なります。大きく分けると、クライアントのサーバ・ドメインを制作会社が契約するケースと、契約はあくまでもクライアント側が行うケースの2種類が考えられます。

制作会社がサーバ・ドメインを契約するケースでは、サーバ会社やドメイン販売会社への支払いを制作会社が行います。この場合、契約者はあくまでも制作会社になります。制作会社は、サーバやドメインにかかる費用を「管理費用」などの名目でクライアントに請求する形になるはずです。

一方、クライアント側がサーバ・ドメインの契約をする場合、費用の支払いは自分たちで行う必要があります。クレジットカード決済なら自動更新を選ぶことができますが、銀行振り込みを行う場合は、更新のタイミングをしっかり把握しておく必要があります。更新時期に支払いが遅れてしまって、ドメインが凍結されたりサーバ契約が解除されてしまう、というリスクがあるためです。ある日突然Webサイトにアクセスできなくなって、原因を調べたらサーバ費用を払い忘れて解約されてしまった…。そんな状況は目も当てられません。

制作会社が管理してくれていれば更新のタイミングもチェックしてくれているはずなので、支払いが滞ることによるサーバ・ドメインの凍結は防げると思います。
 

制作会社が直接契約することのデメリット

サーバやドメインの契約を制作会社に任せてしまうと、後々トラブルにつながるケースもあります。Webサイトのリニューアルなどで、依頼する制作会社を乗り換える時などです。

制作会社がサーバ・ドメインの契約者になっている場合、その制作会社との付き合いを解消するときには契約者情報を変更する必要があります。サーバ会社によっては契約者の変更に対応してくれないケースもありますし、もし可能だったとしても手続きは煩雑です。まったく別のレンタルサーバを契約してWebサイトをリニューアルし、既存のサーバを停止・解約するという方法もありますが、それもかなりの手間になります。

ドメインの場合も同様です。ドメインの所有権を譲渡する方法は存在するものの、その手順は極めて面倒です。「新しいドメインで仕切り直し」という手もありますが、ドメインが変わるということはURLやメールアドレスが変わってしまうということで、デメリットは計り知れません。

こうしたデメリットを考えると、やはりサーバ・ドメインは自分たちで契約し、管理していくのが定石だと言えます。

サーバ・ドメインはどのように契約・管理するのがベスト?

とはいえ、Webの専門家でなければ、サーバ・ドメインの契約をどのように行うのか、わからないことも多いはずです。例えばサーバなら、世の中にはたくさんのレンタルサーバサービスがあり、その中でも複数のプランがあります。その中から、自分たちに必要なレンタルサーバ・プランを見極めるのは至難の技です。ドメインにしても、どのドメイン販売業者(「レジストラ」といいます)と契約すればいいのか、見極めの方法に悩むことでしょう。

この場合、おすすめのサーバやドメイン販売業者を制作会社に提案してもらう、という方法がもっともスムーズです。制作会社はプロの目線で、その会社に必要なサーバの種類をしっかり選んで提案してくれるでしょう。契約に関しても、手順をあらかじめ調査してくれ、ステップバイステップで説明してくれるかもしれません。サーバ・ドメインの契約は、信頼できる制作会社に段取りを組んでもらい、契約自体は自分たちで行うというのがベストなのです。

なお、サーバ・ドメインの契約時には連絡先情報の入力が求められますが、その情報にも注意が必要です。サーバ・ドメインの契約更新のお知らせなどは、通常は登録したメールアドレスに届きます。その際、登録したメールアドレスが社員の個人アドレスだったりすると、その社員が退職してしまって通知が届かなくなってしまう恐れがあるのです。結果、更新手続きが遅れてしまい、サーバ・ドメインが凍結するという事態も起こり得ます。

このような事態を回避するためには、連絡先に特定のスタッフのメールアドレスを登録するのではなく、複数人がチェックできるメールアドレスを登録しておくのがいいでしょう。

 

Text:Web Designing編集部 Illustration:高橋美紀