制作会社との付き合い方:Web制作会社選びで会社規模は重要? 事例詳細|つなweB
制作会社との付き合い方:Web制作会社選びで会社規模は重要?

制作会社と円滑に仕事を続けていくには、押さえておきたいポイントがいくつかあります。そんな制作会社とのコミュニケーションノウハウをご紹介するのが、この「制作会社との付き合い方」コラムです。第1回目となる今回のテーマは、Web制作会社の選び方。Web制作会社は星の数ほどありますが、いざ自分たちの会社のホームページをリニューアルしたいとき、何を基準に選んだらよいのでしょうか。




 

つくりたいサイトによって制作会社は変わってくる

Web制作会社を選ぶ上で、まず気になるのは会社の規模ではないでしょうか。フットワークの軽いフリーランスのWebデザイナーが身近にいるけれど、本当に頼んで大丈夫なのか…。あるいは、インターネット検索で大手の制作会社にたどり着いたけれど、制作実績を見るとビッグクライアントばかり。ウチみたいな中小企業が頼んでも平気なのか…。そんな不安を抱いたことがあるという人もいると思います。世の中には、フットワークの軽いフリーランスや少人数の制作会社もあれば、数十、数百人規模の従業員を抱える大きな会社もあります。それぞれメリット・デメリットがありますが、「自分たちがどのようなWebサイトをつくりたいか」によって選び方が変わってきます

判断の1つ目のポイントは、ボリューム感です。メーカーなら取扱ブランドが多岐に渡る場合、または紹介する事業部が多岐に渡る場合など、制作するページが多いときは、制作会社の規模もある程度大きい方が安心です。具体的には、個別のレイアウトになるページが20ページを超える場合だと、個人や2~3人規模の制作会社だと負担が大きいと思います。逆に、全体で6ページ前後あれば十分、という規模間なら、少人数の制作会社でも十分応えてくれるでしょう。似たような業態の会社のホームページを見て、大体のボリューム感を掴んでおくことが大切です。

2つ目のポイントは、システムとの連携です。ECサイトを構築したい、ホームページだけではなく業務システムも制作を依頼したい、顧客管理やMA(マーケティング・オートメーション)の導入も視野に入れている、といった場合、フリーランスの手に負えない可能性があります。複雑なシステムはやはり経験の有無が肝心になってきますので、その会社の制作事例などを見ながら判断しましょう。

3つ目は、依頼するコンテンツの内容です。Webサイトに掲載する要素がある程度決まっているのか、それとも取材などのコンテンツづくりから依頼したいのかで変わってきます。また、どんなサイトにしたらいいかまったくイメージできない…という場合も、ゼロから相談できる制作会社を選んでおくのが安心です。Webデザインとコンテンツ(記事)づくりはまったく別のノウハウが求められるため、いろいろなスタッフが揃った制作会社のほうが安心できます。

小規模のWeb制作会社のメリット・デメリット

フリーランスのWebデザイナーや、2~3人のスタッフが集まった制作会社は、細かなリクエストにも臨機応変に応えてくれる可能性があります。一概にはいえませんが、大きな会社に比べて低コストで仕事を引き受けてくれるという期待も持てます。一流のセンスと知識を持ったフリーランスのデザイナーが、魅力的なWebサイトを低コストで作り上げてくれる…といった可能性もあるのです。一方で、心配なのはやはりキャパシティ。複数の案件が重なると身動きが取りにくくなり、納期がどんどん伸びていってしまう心配もあります。また、Webサイトの構築(コーディング)の技術は高いけれどデザインは苦手、というような得手不得手があるかもしれません。打ち合わせの際には、その会社の得意なところ、不得意なところをしっかり確かめておきましょう。
 

中規模のWeb制作会社のメリット・デメリット

10~20人くらいのスタッフがいる会社は、制作会社としては中規模だといえます。これくらいの規模になると、デザイン専任、執筆・コピーライティング専任、コーディング専任と、分野ごとの専門スタッフが在籍している場合が多く、どんな仕事も柔軟に対応してもらえる可能性が高いと言えます。また、ある程度の人数がいるため、キャパシティ面の不安も低いと言えるでしょう。気軽に相談に乗ってもらえる親近感も望め、ちょうどいい居心地の良さを感じられるケースが多いと思います。一方で、コスト面はフリーランスよりも高くなりがちです。さらに場合によっては大規模な制作会社より高いケースもあります。打ち合わせの際には、コスト感を前もってしっかり確かめておくことが肝心です。
 

大規模のWeb制作会社のメリット・デメリット

20人を超える会社は、制作会社としてはかなりの規模だと言えるでしょう。これくらいの規模になると、システム開発やWebマーケティング、コンサルティング業務など、業務内容も多岐に渡るケースが多いといえます。単にWebサイトの制作だけでなく、広告やマーケティング戦略などもまとめて相談したいという会社にとっては心強い存在です。また、場合によっては、Webコンテンツの制作やSNSの投稿代理といった業務まで引き受けてくれる場合もあります。コスト感についても、規模が大きい会社だからといって必ずしも高いとは限りません。中小の制作会社だと仕事の一部を外注に出すことでコストに跳ね返ってくるケースもありますが、規模の大きな制作会社では内製で賄える範囲が増え、その分コストを抑えられる可能性もあります。とはいえ、コスト感覚のズレから想定以上の解決策を提案されてしまう可能性もあります。提案内容はしっかり吟味して、自分たちのビジネスに必要なものなのかどうかを考える必要があるでしょう。
 



このように、どれくらいの規模の制作会社が良いかは、つくりたいWebサイトの内容によって変わってきます。制作会社に相談する前に、どんなものを作りたいかを社内である程度話し合っておくことが肝心です。また、Webサイトは、完成したあとも少しずつ手を加えていきながら改善を図っていくもの。都度都度のメンテナンスは不可欠です。コストだけで決めてしまうのではなく、長期的なお付き合いをするパートナーとして制作会社を見極めるといいでしょう。
 

Text:Web Designing編集部 Illustration:高橋美紀